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リビング・コレクション開発ストーリー 飛驒産業 リビング・コレクション開発ストーリー 飛驒産業

飛驒産業とは

匠の技と新発想で
お仏壇の領域を変える。

万葉の時代から敬われてきた伝統技術とこころざしをいま、お仏壇の新しい世界づくりのために——
はせがわと、木工家具の名門とのコラボレーションが実る。

モノづくりの想いを
祈りのこころへ

奈良時代から、森多き山国・飛騨地方には、高い技術を持ちながら、驕ることなく日々勤勉に働く木工作業者たちがいた。仕事ぶりの確かさには広く定評があった。そうした市井の名工たちへの敬称が「飛騨の匠」である。

岐阜県高山市に本社を持つ1920年創業の家具メーカー「飛驒産業」は、この地の文化財産ともいえる「飛騨の匠」の技術とこころざしを受け継ぐ企業だ。

「はせがわ」は、この木工家具の名門と想いをひとつにして、お仏壇の新しい価値、新しい表情の開発を求めつづけてきた。飛驒産業社長をはじめ、開発に携わった人びとに、その結実のストーリーを語ってもらおう。

インタビュー
代表取締役社長 岡田贊三 氏

伝統のこころを尊重し
発想はみずみずしく

「見ていただくとよく分かると思うのですが、工場には独特の濃い時間が流れています。ひとりひとりのモノづくりの誇りがそうさせている、と信じています」

岡田贊三社長は言う。飛驒産業の製品にはモダンな香りが漂うというのがおおかたの評価だが、その裏づけはむろん、伝統というしっかりした足腰である。

モノづくりの文化を受け継ぐ

――飛騨の匠のこころとは?

まじめ一徹。ちゃんとしたものを作らないと落ち着かない。納得いくまで食らいつく。損得は度外視」

――そうしたモノづくりの文化は飛驒産業に脈々と生きている?

技へのこだわり、取り組みの一徹さという意味では、そう思います」

2016年上半期のNHK朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で話題になった雑誌『暮しの手帖』の名編集長花森安治は、消費者の側に立った厳しい目で知られた人だったが、その花森氏が飛驒産業の家具に惚れ込んだ。異例のことだったが、同誌で何度か特集も組むほどの入れ込みようだったという。

――その飛驒産業が、かつて時代の流れに沈みかけた。それを「奇跡のⅤ字回復」させたのが岡田社長と聞くが?

「いやあ、そんなえらそうなものじゃありませんが……」

2017年11月30日放映のテレビ番組『カンブリア宮殿』に出演し、作家村上龍氏と対談した岡田社長だが、そのとき多くの視聴者が感じ取ったのは、「苦境の家具メーカーが復活。業界の異端児が仕掛ける独自改革」という強烈なコピーにはあまりそぐわない、穏やかな笑顔が印象的だ。

奇跡の逆転場外ホームラン

岡田贊三氏の歴史に、簡単にふれておこう。
岐阜県高山市の荒物屋の長男として生まれ、家業を継ぐ。ホームセンターに切り替え、事業を拡大させたのち、55歳で経営権を譲り、「好きなことをしよう」と退く。山小屋を芸術家たちの発表ギャラリーに、とか、古民家をエコの拠点に、といった活動だ。その真っ最中に、かねて監査役を引き受けていた飛驒産業から社長として「経営危機の立て直し」の要請を受けた。57歳のときである。
「流通に急激な変化が訪れたうえに、輸入家具の著しい台頭、そうした時代の波に飲みこまれての落ち込みでした」

――反撃はどのように?

「無駄を省き、常識に押しつぶされないこと、正攻法です」
キーワードは「節」である。どんなに小さな節でも入っていたら、それで家具の価値はぐんと下がる。というのが常識だった。
「あえて、節の入った高級家具を作ったらどうだろう、と提起しました。節があるというだけで廃材にするのはもったいない。節は自然の造形物である、自然のありのままを生かすことができないか、と考えたのです」
猛反対を受けたが、世に出てみると、とりわけ若い世代に大反響となった。爆発的といってよいヒットとなる。

お客様志向、ホンモノ志向

「はせがわ」から、いまの時代に生きるお仏壇の製作依頼を受ける。

――「はせがわ」と協働のお仏壇づくりに対する想いは?

「いい家具は使うほどに味わいが深まる。お仏壇は、祈りの家具です。家族の祈りが積み重ねられることによって価値が深まる。そのことを大きな命題としています」

――困難はあった?

「杉を素材にしたものなどですが、(詳細は開発に携わったデザイン室坂井雄大氏のインタビューで)、「はせがわ基準」ともいえる厳しい品質への追求があり、それにきちんと応えていくことを最優先したうえで、製品をかたちにしました。」

――自信作?

「はい、自信作です」

――「はせがわ」とともに拓く、これからのお仏壇の可能性は?

伝統に培われた技術が私たちの基盤です。最大の努力を尽くすこと。お客様志向、ホンモノ志向という基本的な姿勢を大切にして進めていけば、大きな間違いはないだろうと考えています」

当たり前のことを当たり前に

――2014年に開校した「飛騨職人学舎」とは?

「寝食をともにしながら腕を磨いて、人間性を鍛える。そこで養われる若い技術力を、まもなく創業百年を迎える私たちの、次なる百年への足場としたい。それが開校の理念です」

――全国から公募?

「育った環境は問わず、こころざしを求める。熱いハートを持った職人をめざし、仲間たちと切磋琢磨する環境です。卒業制作として、“お世話になった人へ贈る家具”を作ります。感謝のこころから成る家具には美しさが宿ります。それをみずから学ぶ」

心意気を重んじることでは他にひけをとらない。独自に掲げる「実践10項目」はその好例だ。

「当たり前の事を、当たり前にやる」
簡単なようで難しい心構えである。

◆実践10項目

  • 当たり前の事を、当たり前にやる。
  • 理屈は後からつける、まずやってみよう。
  • 良いことは即実践。悪いことは即やめる、良いか悪いか判らないことは、やってみる。
  • 金をかけない。
  • 出来ない理由より、出来る方法を考える。
  • 出来ることから実施する。
  • 旧い考えをすてる。
  • 判ったということは、実施することである。
  • 決めたルールはガッチリ実施。
    ルール100点 実施10%より、ルール10点 実施100%を。
  • 一人ひとりが何をやったか?であり、何をしゃべったか?何を提案したか?ではない。

インタビュー
デザイン室デザイナー/
インテリアコーディネイター 坂井雄大 氏

凛とした美しさと
細部にわたる機能性と

リビングルームとお仏壇

「私がお仏壇の開発に携わることができたのは、幸運によるものです。家具づくりに強く憧れてこの道に入りました。研修を受け、デザインの勉強に寝食を忘れて励みました。幸運は、当社の「SEOTO」シリーズなどを生み出された、日本を代表する工業デザイナー川上元美先生との協業の中で勉強させていただいたことによります。その流れで、お仏壇の開発を担当することができました」

――お仏壇には詳しかった?

「いいえ、恥ずかしながら、まったく無知で。知らない基礎知識やしきたりなどの多いことに愕然としました。夢中で書物をあさり、詳しい方にご教示を願い、勉強しました。勉強すればするほどその奥の深さを知りました

――育った環境にお仏壇は?

「もちろんありましたが、父が転勤の多い仕事だったもので、引っ越しが多かった。そういうこともあって、可動性に富む小規模のお仏壇でした。リビングルームにしっくり溶け込み、家族とともに暮らす、というお仏壇の新しい考え方にはたいへん共感をおぼえました」

世界初の杉圧縮柾目材

――はせがわのお仏壇LIVE-ingコレクション「KISARAGI(キサラギ)」シリーズへの想いは?

KISARAGIシリーズの特筆すべき点は、まず、素材が杉であることです。杉はとても軽く、木目がまっすぐで美しい、そして香りがよく、結露や湿気にも強い。しかも、日本国内で安定供給が可能。などなど、建築によく使われる素材です。ところが、家具用材としては大きな難点がありました。やわらかさ、です

――家具には強度が求められるから?

「そうです。このやわらかさという難点を克服する追求が始まりました」
2003年、飛驒産業は地元の森林組合や製材業者など同志5社とともに「飛騨杉研究開発協同組合」を立ち上げ、岐阜大学応用生物科学部の棚橋光彦教授の指導を得て、本格的な研究を始めた。
「伝統的な“曲げ木”、水と熱により木材を軟化させ造形する技術と、この加熱圧縮技術により、強度の確かな杉材が生まれました」

――美しさの点から、柾目にこだわった?

「周知のとおり木材には板目(年輪が山形や筍形の曲線)柾目(年輪が平行で直線)があります。好みはもちろん人によりますが、日本人にはとりわけ、凛とした美しさの柾目が愛されており、KISARAGIはその美しさを求めました

――でも、柾目は細かくしか取れない?

「そうです。したがって、圧縮した板目を細かく短冊状に割り、角度を変えて柾目にそろえるなど、何枚も何枚もつなぎ合わせて仕上げます。圧倒的に手の掛かる作業です
こうして、美しさと強さを合わせ持った世界初の「杉圧縮柾目材(KISARAGI材)」は誕生した。

――その素材からなるお仏壇とは?

「なによりも、杉の柾目からなる凛とした気品の世界です。祈りの家具として、ここは譲れないと考えました」

――飛騨の匠の末裔としての心意気も生かされている?

「細部にそれは注ぎこまれています。お仏壇の構造上、可能な限り厳密に精度を求めました。お仏壇という家具が一般の家具と最も異なるのは、収納家具は閉じた外観に力が注がれるけれども、お仏壇は外観はもとより、開いたときこそが本番という家具です。内部の気品を高いものにすることと、扉を開く機構に工夫を凝らしました」

これからのスタンダードを

――開発に携わっての感想は?

「長い長い歴史のなかで、ありとあらゆる可能性が試され尽くしてきました。その意味で、家具としてのお仏壇は、これから新しさが切り拓かれている分野ではないかと思います。だからこそ、自分がこれからのスタンダードを作るのだ、という昂揚した気持ちにあふれていました。その昂揚は現在もつづいています」

インタビュー
生産技術 治具(じぐ)試作 神田剛志 氏

誤差は絶対に許されない

誕生を精度高く見守る、治具(じぐ)

欠かすことのできない主役が、治具だ。生産の現場において、工作物をしっかり固め、切削工具などを精度高く制御し、導く装置、それが治具。つまり誕生してくる製品の産婆役だ。

経験したことのない緊張感

――KISARAGIのお仏壇の工程で最も大事にしたことは?

「誤差は絶対許されないということは、お仏壇にとって特別な意味を持っていると実感しました。
祈りという精神性の高いものを受け止める家具ですから、強度や美観を含めて、“建築的な厳密さ”が求められます。リビングのなかの、小さな、精度の高い建築物ですね。KISARAGIは素材そのものが、“世界初”ということもあり、特殊なため、経験したことのない緊張感をずっと味わいました」

――市場で評価が高まるよろこびは?

「もちろん、あります。が、その前に、私たちの仕事はラインで製造しているスタッフたちから、いいものが出来ていくよ、ありがとう、と言われることがまず大きなよろこびです。サポートに徹するということのやりがい。この仕事は天職だと思っています」

――子どものときからお仏壇とは親しんでいた?

「実家には、金仏壇がありました。お仏壇とはああいう重厚のかぎりのものだという印象が強くありました。KISARAGIはだからこそ新鮮でした。新しい祈りの世界の登場感があふれていますよね。そんな製品を生み出す仕事をしていることがとても嬉しいです。これからも現場の職人と、その先にいるお客さまにご満足いただける製品作りをこころがけます」

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