重要なお知らせ

リビング・コレクション開発ストーリー 大雪木工 リビング・コレクション開発ストーリー 大雪木工

大雪木工とは

洗練された温もりと
豊かさのお仏壇を

北海道旭川の隣町、東川町に本社がある。この地の家具メーカーの中で屈指の広さを持つ工場を拠点に、良質な家具を生みつづけている。何よりも大事にしているのは、「丁寧な家具づくり」だ。

「家具は、暮らしの友である。単なる道具ではなく、人の暮らしを真の意味で豊かにするものでなければならない」という信念が全社に浸透する。「はせがわ」は、つねに求めつづけている「お仏壇の新しい世界」をまたひとつ切り拓こうと、熱いコラボレーションを推し進めてきた。

ナチュラルな素材感

商品名のNordlys(ノールリス)は、「北の灯り」の意。まさに、家族そろって寛ぐ空間の、あたたかい灯りとなるお仏壇。天然木の息づかいが聞こえてくるようなナチュラルな素材感が生かされ、北欧調のシンプルな気品と豊かさが特徴だ。

インタビュー
代表取締役社長 長谷川将慶 氏

家具の役割を
改めて見つめ直して

2000年から父のあとを継ぎ

雄大な十勝連峰を望む田園風景のなかに、その工場は姿を現わす。威容という言葉がふさわしい規模である。1983年創業以来、人の手でしかできないところは人の技で、機械が有効なところは機械の生産力で、という家具づくりを繰り広げてきた。
「人を育てて家具づくり」を理念として掲げる同社を、2000年から創業者である父・長谷川将八郎氏のあとを継いで率いているのが長谷川将慶社長だ。

モノづくりを本来あるべき姿に
見つめ直したいというプロジェクト

――人を育てることの重要さとは、具体的にどのような?

「私どもの会社が成長してきた途上には、どうしても“量”に対応しなければならない時代がありました。もちろん、“質”をおろそかにするということではありませんが、大量に作らなければ追いつかない現実がありました。
やはり人間の手の技がモノを言ってきます。機械とちがって手の技は人から人へ伝承していかなければなりません。必然的に、“育てる”ことが重要になってきます。
若い新人を育てるということに限りません。教える師をも育てていかねばなりません。みんなが勉強です

新しいプロジェクトが動き始めていると聞きましたが?

大雪(たいせつ)の、大切プロジェクト。ま、語呂合わせ、ダジャレ的ではありますが。モノづくりをつづけるために大切なことはなんだろう、というテーマを掲げたプロジェクトです。私ども大雪木工のこれからを考える基軸となる試みです」

「プロジェクトを始めた理由のひとつに、“モノづくりのスタイルを本来あるべき姿に見つめ直したい”という想いがありました。それは“北海道の森”を中心に考えたモノづくりであり、いつまでも作りつづけられ、いつまでも使いつづけられる家具づくりです」

デザインはあっさり却下

――お父上が創業されて36年。ずっとそばで見てこられた?

「父の実家は、旭川で木材関係の総合商社を経営していました。末っ子として生まれた父は、林学を学び、北海道庁の林産試験場で働いていました。長男として育った私は、のんきな少年だったと思います。父の仕事の関係上、札幌や釧路でも暮らしました。
やがて父は道庁を辞め、建材メーカーを経て、旭川に戻り、1983年に大雪木工を立ち上げました。私が大学でデザインを学んだのは、父の奨めです」

――後継者として決めていたから?

「はっきり言われたことはありませんでしたが、やはり、そう考えていたのでしょうね」

――主業務は?

「資材の調達です」

――大学で勉強されたのだからデザインもおやりになる?

「やりますが、だめです、スタッフからあっさり却下されます」

充実した議論が重ねられた

――「はせがわ」とのご縁は?

「東京へ出張した折などに、“はせがわ”の看板が何だか気になっていました。自分と同じ名前だからですね。でも、お仏壇の老舗というぐらいの知識で、それ以上の知識はありませんでした」

――お仏壇を、という話にはどのような想いが?

「正直なところ、戸惑いはありました。むずかしいしきたりに縛られるのではないだろうか、などと。
熱心にお話しくださる内容で、そうか、部屋の中に、書棚がある、椅子がある、どれも部屋に溶けこんでいる、たまたまそのひとつがお仏壇だというわけか。そう理解し、それなら私たちにも力の発揮しようがある、と思ったものです」

――はせがわの求めているお仏壇へ、最も共感したのは?

「空間ということです。製品の細かいスペックというよりも、この家具が、亡くなった最愛の人と共有する空間であり、それを提供する仕事だと」

――取り組んで、最もよかったことは?

「みんなで充実した議論を重ねられたことです。どのようなお仏壇に仕上げていくかを議論することは、家具は人の暮らしに何をもたらせるかを考えていくことでした。社内は活気を呈してきました。とてもいい弾みとなりました」

インタビュー
専務取締役 加賀美博明 氏

お客さまの声を聴き
自分の想いを伝えてゆく

月の満ち欠けがきっかけ

お仏壇「ノールリス」のプロジェクトリーダーとして開発に携わってきた。

――そもそもの、はせがわとの接点は?

「東京国際家具見本市(IFFT)で、はせがわの方が、私どもの作品「ムーン」をご覧になり、この世界をお仏壇に活かすことはできないかとご提案いただいたことがスタートです」

――どのような作品?

「国際家具デザインフェア旭川2014デザインコンペにて入選した壁面収納です。従来の開き戸・引き戸といった扉とは異なって、「回して開ける」扉。360度好きな角度に固定でき、まるで夜空で満ち欠けする月のような趣の棚です」

上の写真、加賀美氏の背後にある作品が「ムーン」です。

――お仏壇は初めての経験?

「そうです。知らないことばかりの世界で、ぴんとこなかったのですが、はせがわのリビング・コレクションというお仏壇の理念を説明いただき、これはインテリアの一部なのだと理解し、それなら自分たちにもチャレンジできると手ごたえを感じ取りました」

――ノールリスというシリーズとは?

北欧調の、シンプルでナチュラルな世界です。機能にもさまざまな工夫がこらされています。このシリーズの棚・ボード、キャビネットやテーブル、そしてソファーの中に肩を並べてもしっくりとけ込み、互いに引き立て合う、そんなお仏壇の世界を求めました。幾度も試作を重ね、ご指導いただき、完成へと結びつけました」

失敗をひきずらない

――社歴30年余のベテラン?

「そうなります。入社して、ずっと営業で全国を回ってきました。自分では営業マン向きとはとても思っていなかったのですが、製品と仕事に育てられました」

――見るからにスポーツマンだが?

「卓球、スキー、ゴルフ、などよくやります。ジムで鍛えることもあります。子どもたちが小さいころは、よくキャンプへ出かけました。北海道はキャンプ場の宝庫です。アウトドア派には絶好の地です」

――営業では苦労も多い?

「もちろんそれはありますが、基本的に私は“人を嫌いにならない”ところがあるのです。悪意を抱えてはいない。こころはかならず通じると。だから、失敗があっても苦にしません。引きずりません」

――抱負は?

「個人的な思いではありますが、大雪木工の直販店を各地に作って、私どもの製品をじかに販売したい、と。
お客さまの声をつぶさに聴きとりながら、自分の思い、スタッフたちがこめた思いを伝えてお届けする。そういうことが自分たちを大きくしていくことに通じるのではないかと思っています」

インタビュー
「ノールリス」担当デザイナー 
小野和則 氏

この家具が欲しいから
そこに入れるものを考える

機能、しつらえ、安全性

「お仏壇「ノールリス」の設計を担当して、新しい世界をかたちにした」

――どんなところに苦心を?

「家具調という容貌ですが、収められるお仏具や内装とのバランスが崩れてはいけないので、その関係を入念に設計していきました」
「4本脚」
「上下に開くフラップ扉」
「自由な引き出し」
「調整可能な中段の奥行」

各所にユニークな構造や機能を満載している。

お仏壇そのものを包み込むような、高い機能性とデザイン性の両立。

上部と下部に収納するフラップタイプ。省スペースを実現するシンプル設計。

引き出しの上は、季節のお供え物やしつらい、お花や写真など、自由に飾れる新しいスペース。

中段部分は奥行の調整ができ、お仏具の数やサイズに合わせてスペースをアレンジできる。

――こうした機能のほかに、留意した点は?

「閉じたときの、家具としての気品あるたたずまいが欠かせないのは言うまでもありません。演出としてのしつらえに細心の注意を払っています。
さらに、親しむ方々は、お子さんからご高齢の方まで幅広い層だと思います。したがって、耐久性や安全性には万全を期しました」

これからの家具は

――この業界への道のりは?

「大学でデザインを学び、建築設計事務所に加わり、おもに店舗の設計に携わっていました。その後、独立して、業務範囲は広がりました。公園の四阿(あずまや)やベンチなども手がけました。それから、家具の世界に移りました」

――それまでとの違いは?

「店舗や公園のランドマークなどは、いわば一点ものだから、細かい修整はできます。しかし、大量生産である家具は、図面をしくじると、しくじった製品が大量に生まれてしまうことになります。つまり大量に廃棄することになる。設計にあたっての慎重さは比較になりません」

――これからはどんな家具を?

「何かを収めるために買うのではなく、この家具が欲しいから、そこに入れるものを考える。そんな家具を模索しています。この皿が気に入ったからこんな料理を、という発想です」

――すでにアイデアは?

「かなり、あります(笑)」

インタビュー
工場長 伊東和宏 氏

検品には通常の
2倍以上の労力を割く

独学でがんばりました

長谷川将慶社長が、「彼が工場長になってから現場の空気ががらっと変わった」と明言する。

――モノづくりは少年時代から?

「小学校、中学校と野球少年でした。高校に入ってからは陸上部。ところが、体育系から、とつぜん音楽に目覚めてしまいます。仲間とハードロック系のバンドを始めました。すごい恰好をして。高校生ですが、地元のライブハウスで演奏もしていました。
高校卒業後、ちょっと回り道をしましたが、18歳で当社に入りました。野球や音楽に熱を入れていましたが、そもそもモノづくりが好きでした。農業も含めて」

――で、大雪木工では何を?

「はじめは力仕事ばかりでしたが、労働のよろこびは大きかった。モノづくりの環境が魅力でした」

――そこからは、まっしぐら?

「いえ、一度、また回り道をします。モノづくりを究めようと、25歳のとき、いったん退社して、個人の工房に修業に出ました。思ったよりハードで、ちょっとへこたれていたとき、このたび特注部門を作るぞ、君も帰ってこないか、と先輩に温かい声をかけられ、大雪木工に戻りました」

――特注部門はたった一人の部門?

「そうです。独学でがんばりました。自分で言うのもなんですが、相当努力をしました。私にとってとても大事な時期だったと思います」

仕事が生活の全部です

――お仏壇づくりへの向き合い方は?

「大雪木工オリジナルの仕事は、自分たちの美意識で、自分たちの作りやすいものを作っているという面がありますが、この場合はそうではない。はせがわさんの想いをどれだけ形にするか、の重要なポイントがあります。いい勉強になりました」

――工場長としての苦労は?

「ふつうの家具は、外観が大きな決め手です。が、お仏壇は内観です。普通、家具ではあまり気にしない内側も、仏壇では小さなキズも見落とせません。
さらに、ライトが当たったときの内観の見え方、ノールリス独自の個性的な機能にわずかでも綻びがないか、検品は通常の2倍以上の労力をかけます」

――工場長みずから?

「はい。私が全品やります」

――30代中頃とお若いですが、工場長にはいつから?

「まだ丸一年です。仕事が生活の全部、がむしゃらです」

――音楽とは離れた?

「工場は騒音が多い。ですからオフのときは耳を休めたいので、音楽を聴くことはなくなりました。たまの休みには、山登りを始めました。北海道は名山が多いので、リフレッシュに最適です」

仏壇「リビングコレクション」|はせがわと大手家具メーカー共同開発

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リンク

大雪木工
http://www.taisetsu-mokko.co.jp/

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