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お線香の香り(匂い)は何がある?煙の少ないお線香からおすすめ品まで紹介

お線香の香り(匂い)は何がある?煙の少ないお線香からおすすめ品まで紹介

お線香を選ぶ際に「種類が多すぎて選べない」、「人気の香りはどれだろう」と悩むことが多いものです。このページではお線香の香りを中心に自宅用のお線香で一般的なお線香から煙の少ないお線香をご紹介します。あわせて近年需要が増えてきた電子タイプのお線香と、どこでお線香が買えるのかまで解説します。

お線香は「杉線香」と「匂い線香」にわかれる

お線香は「杉線香」と「匂い線香」にわかれる?

お線香は大きく「杉線香」「匂い線香」にわけられます。

「そもそもお線香ってお部屋で楽しむために使ってもいい?」

お線香をリラックス、気分転換や趣味として楽しむことに問題はありません。におい消しとして使用する方もいます。お香のうちスティックタイプ(棒状)になったものがお線香です。
お線香として定番な伽羅や白檀は、古くから生活の中で親しまれてきました。老舗の料亭でも空間の演出として使用されています。お好みの香りをぜひお部屋でも楽しんでみてください。伝統的な香り以外にもアメなどのお菓子の香りのお線香も登場し、おしゃれ・かわいいパッケージも多くなりました。

杉線香(すぎせんこう)とは?

杉の葉や小枝を乾燥させ粉末にしたものを材料にしたお線香です。素朴で自然な香りであり、匂い線香の材料とされる椨(たぶ)よりも古くから使用されています。煙が多いため今では主にお墓参り用のお線香として使用されます。

匂い線香(においせんこう)とは?

椨(たぶ)樹皮粉を乾燥させ粉末にし、白檀などの香木、香料、墨の粉末などを調合しつくられたお線香です。お墓参り以外のお線香が匂い線香と考えるとわかりやすいでしょう。

椨(たぶ)とは

クスノキ科の常緑高木で、九州以南や中国などが主な産地になります。水を加えることで粘性や弾力性が出るためお線香の結着材として使用し香りを構成する基本の原料になります。用いられる理由は香りが少ないという理由でとても重要な原料です。高級品なお線香になるほど椨の配合は少なくなります。

「匂い線香」にはどんな種類がある?

匂い線香にはどんな種類がある?

一般的に使用される匂い線香は大きく「香木系」「漢薬系」「フローラル系」「その他」にわかれます。ここでは項目ごとに香りの説明をします。香りは、感覚にもなり印象の受け方も人それぞれになります。お店で香りを確かめるのが一番でしょう。あわせておすすめのお線香も紹介します。

香りは「嗅ぐ」のではなく「聞く」と言います。
心を傾けて香りを聞く、繊細な澄んだ香りが心に呼びかける…心の中でその香りをゆっくり味わうという意味です。

香木系

伝統的に使用されてきたお線香になります。貴重な材料であり、香木の割合が高くなるほどに値段も高くなります。香木と椨(たぶ)を配合しつくられます。お線香の色が木の色(茶色)のものが一般的です。

沈香(じんこう)

沈香(じんこう)

ジンチョウゲ科の木でベトナム、カンボジア、インドネシア、ミャンマー、ラオスなどが産地です。ワシントン条約により特定の手順以外では輸出入が制限される極めて希少な原料です。
「水に沈む、香りのする木」ということから「沈水香木」(略して沈香)とよばれます。アガーウッド(Agarwood)ともいいアロマとしても親しまれています。
産地により香りが違い、シャム沈香は一般に甘味を基調としたもので、タニ沈香は苦味を感じやすいとされます。スパイシーな香りの印象を受ける人もいます。

伽羅(きゃら)

伽羅(きゃら)


伽羅は沈香の中でベトナムの限られた地域でしか採集されない最高級品です。伽南香、奇南香ともいいます。ほかの沈香より含油量・水分量が多いため熱を加えず常温でも香りやすいものになります。

白檀(びゃくだん)

白檀(びゃくだん)

ビャクダン科の木でインド、インドネシア、マレーシアなどが産地です。サンダルウッド(Sandalwood)ともいいアロマとしても親しまれています。インドのマイソールで産出される老山白檀は最上級の香りを発することで有名です。常温でも香りやすく仏像や数珠をはじめとする彫刻工芸品・扇などにも使用される最もポピュラーな香木です。
ほのかに甘さを含むウッディ調の優しい香りです。

漢薬系

漢方薬や生薬、スパイスに使われることもある原料です。よい香りを表演させる、香りを際立たせるために調合します。そのため主の材料として使用されることは少ない傾向にあります。

桂皮(けいひ)

桂皮(けいひ)


クスノキ科でベトナム、中国南部などが産地です。シナモン(Cinnamon)ともいいます。
お菓子やカレー・クッキーなど食品香料・香辛料、鎮痛剤など生薬、せっけんにも使われます。
スパイシー、葛根湯の香りが特徴です。

丁字(ちょうじ)

丁字(ちょうじ)

フトモモ科でインドネシア、マレーシアなどが産地です。クローブ(Clove)ともいいます。
肉料理などに使われるスパイスの一種です。染め物、鬢付け油、薬などにも使用され日本人の生活でも古くから親しまれていました。
使用量によりさまざまな表現ができます。強めではスパイシー、微量ではバニラのような甘い香りです。

大茴香(だいういきょう)

大茴香(だいういきょう)

モクレン科で中国南部などが産地です。スターアニス(Staranise)、八角(はっかく)ともいいます。
さわやかな甘み、杏仁豆腐の香りです。
また甘さの中にみずみずしさがある香りで、香りの奥行きを広げる役割もあります。

安息香(あんそくこう)

安息香(あんそくこう)

エゴノキ科の樹脂でインドネシア、マレーシアなどが産地です。ベンゾイン(Benzoin)ともいいます。
バニラのような濃厚な甘い香りが特徴です。漢字にもあるように呼吸を落ち着かせて安心させる香りという意味があります。香りを長く留める保留剤としての役割もあり、主の香りより保留剤として使用されることが多い傾向にあります。

龍脳(りゅうのう)

龍脳(りゅうのう)

フタバガキ科で樹脂が結晶化したものです。インドネシア、マレーシアなどが産地です。ボルネオール(Borneol)ともいいます。楊貴妃も好んだとされます。
清涼感のある甘さ、樟脳(しょうのう)・墨に近い香りです。

甘松(かんしょう)

甘松(かんしょう)

オミナエシ科でネパールやブータンなどのヒマラヤ山系、中国の山岳地帯が産地です。ウッディーで少しカビ臭さを感じるような香りになり、好みがわかれるかもしれません。沈香や白檀などと調合すると、濃厚な甘みのある香りとなります。

山奈(さんな)

山奈(さんな)

ショウガ科バンウコンの根茎で中国南部、インドが産地です。サンドジンジャー(Sand ginger)ともいいます。調合時にほかの強い香りをぼかしてなじます補助剤としても使われることもあります。
ショウガに近いスッキリとした香りが特徴です。

藿香(かっこう)

藿香(かっこう)

シソ科パチョリの葉を陰干し乾燥させたものです。インドネシア、マレーシアなどが産地です。パチョリ(Patchuli)ともいいます。ウッディ―調の香りを表現できる、そのほかのお香の香りを引き出すことにも優れているため重宝されています。
ウッディ調で少しさわやかな甘さが香りの特徴です。

フローラル系

植物の花・葉・枝・根などを乾燥粉砕または蒸留抽出し精油として使用することが多いです。アロマオイルや香水などの化粧品でもよく使用されます。

ラベンダー

ラベンダー


フランス、ブルガリアなどが産地です。
フローラルハーブ系では不動の人気No.1です。
フレッシュでやすらぎのある甘みが香りの特徴です。

バラ

バラ


ブルガリア、フランスなどが産地です。クレオパトラも好んだとされます。
スパイシーな華やかさ、優雅な甘さが香りの特徴です。

乳香(にゅうこう)

乳香(にゅうこう)

アフリカ中近東が産地の樹脂です。フランキンセンス(Frankincense)ともいいます。キリスト誕生のさいに東方の三博士が捧げた贈り物のひとつで西洋文化でも重要な香料になり、教会でも場を浄めるために薫られます。
奥行きのある独特な清涼と甘みが香りの特徴です。

ティーツリー

ティーツリー


フトモモ科でオーストラリアが産地です。
すーっとしたライムのさわやかな香り、ライラックの花のよう香りです。

ネロリ

ネロリ


ミカン科でイタリア、チュニジアなどが産地です。かつてイタリアのネロラ公国の公妃が愛用したことが名前の由来といわれています。
柑橘系のさわやかさ、甘くフローラルな香りです。

その他

動物性の香料もあります。調達が難しいものが多く貴重なものになります。

貝香(かいこう)

貝香(かいこう)


巻貝のフタが原料になり、アフリカなどが産地です。主に保香材として少量で全体の香りを引きしめることに使用されます。
原料自体はタンパク質が燃える匂いです。

麝香 (じゃこう)

麝香 (じゃこう)

ジャコウジカの香嚢(こうのう)から取り出したものでチベット中国が産地です。現在ワシントン条約で対象となっているため、手に入るのは正規に手続きされた養殖品のみになります。
ムスク(Musk)ともいいます。ほかの原料とほんの少量混ぜただけでも濃厚で艶やかな香りに変化させます。

龍涎香(りゅうぜんこう)

龍涎香(りゅうぜんこう)

マッコウクジラの消化器内に発生する結石です。アンバーグリス(Ambergris)ともいい、海に浮かぶ様子が龍の涎(よだれ)にみえたことが名前の由来とされています。
まろやかな甘みのある香りです。

お線香の煙と「微煙タイプ線香」について

お線香と煙について

香煙は、空間を清める・安らかな気持ちにさせるという意味合いをもち、また仏様のご飯と考えられています。そのためお線香はなるべくいいものを、香りや煙もでるものをと考えられています。
近年は生活習慣や住環境の洋風化もあり、伝統的なお線香の「においが苦手」「マンションであまり煙がでない方がいい」などの声も多くなりました。そうしたニーズからさまざまな香りのお線香・煙の少ないお線香が増えました。日々のお線香が苦になってはご先祖様へのお供え(ご供養)もままならなくなります。好みや環境にあったお線香を選びましょう。法事や命日などの特別な日に従来の伝統的なお線香を使用するなどの使い分けもよろしいでしょう。

香りの感じ方、好き嫌いは人それそれになります。「いいお線香」の基準も香木などの原料の意味の人もいれば、好きな香りをさす人もいます。
お店でお線香を探す際には「いいお線香」だけでは伝わりにくいことがあります。伝統的なお線香なのか、お花などのフローラルなお線香なのかなど、要望を伝えるとスムーズにお線香を選べるでしょう。

煙の少ない(微煙タイプ)お線香

煙の少ないお線香の人気が高くなりました。こうしたタイプのお線香は香木を使用することは少なく、材料に炭を多く使用しています。そのためお線香自体の色も黒いものが多くなっています。

煙の少ないお線香はパッケージに「微煙」「少煙」など記載されていることがほとんどです。また香木系でないものの大半が煙が少ないものになります。あわせて香りも控えめなものが多いようです。フローラル系のものが煙の少ないお線香の傾向があります。

煙はでなくてもススやヤニはでますので、掃除不要ということではありませんので注意しましょう。

火を使わない電池タイプのお線香って?

火を使わないお線香がある?

電池タイプのお線香も登場し近年需要があります。「老人ホームで火を使えない」「ロッカータイプの納骨堂で使いたい」「手元が不安になってきた」「お参りの時間(線香に火がついている時間)を十分に確保できない」といった理由から使用されています。
コンパクトなので置く場所にも困りません。今ある火立にさすタイプ、タイマー式などあり、LEDが大半です。また一緒にローソクも電池タイプにする傾向があります。
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選ぶポイントとしてはサイズ、デザイン、宗派です。浄土真宗ではお線香を寝かせて使用します。ニーズにあわせてさまざまなタイプが開発されつつあります。
実際にお店でサイズやデザインを探してみるのもよろしいでしょう。
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お線香はどこで買う?

どこでお線香を買う?

お線香は松栄堂さん・日本香堂さん・カメヤマローソクさんなどの専門店、鳩居堂さんやロフトさんなどのさまざまな文具や和雑貨を扱う場所でも手にはいります。

お香・お線香専門店(メーカー)

メリット

  • お線香の専門店なのでほかの業態の場所よりも詳しい説明が聞ける
  • 香りを試すことができる
  • 種類が豊富
  • アドバイスをもらいながら購入することができる
  • 自宅以外に贈答用も購入できる

デメリット

  • 店舗数が限られている
  • 自社の商品しか扱ってない可能性がある

仏壇仏具店

メリット

  • 香りを試すことができる
  • 種類が豊富
  • さまざまなメーカーのお線香を扱っている
  • アドバイスをもらいながら購入することができる
  • 仏事の相談もできる
  • 自宅以外に贈答用も購入できる

デメリット

  • 店舗数が限られている
  • お香・お線香専門店より品数が少ない可能性がある

はせがわの店舗でも香木のお線香から微煙タイプまで、多くのメーカーを取り揃えております。
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ホームセンター・100ショップ・コンビニ

メリット

  • 安価にお線香が手にはいる
  • 店舗数が多い
  • 営業時間が長いことが多い

デメリット

  • 種類が限られている
  • 香りを試すことができない
  • 店舗によっては取り扱いがない可能性がある
  • 専門のスタッフがおらず相談ができない

ネット通販

メリット

  • 時間を気にせずに購入できる
  • 自宅以外に贈答用も購入できる
  • 多くのサイトを比較することができる

デメリット

  • 専門店・仏壇屋以外のサイトでは詳しい説明書きが少ない可能性がある
  • タイムリーな相談ができない
  • 香りを試すことができない

はせがわ公式オンラインショップでも各種お線香を取り揃えております。わからないことがあった場合はメールでお問い合わせも可能です。
はせがわのオンラインショップはこちら>>

まとめ と 注意点

お線香の注意点

好きな香りに出会うために

好きな香りに出会うために

お店で香りのサンプルを聞く、または実際に試し焚きをしてもらいましょう。難しい場合は箱のフタの裏側の匂いを確認します。フタについた匂いが実際に焚いた香りと近いとされています。

気になったお線香があれば購入し家で試しましょう。実際に火を灯さないと匂いはわかりません。はじめのうちは量の少ないお線香や短いタイプのお線香を購入するとよろしいでしょう。いくつかの香りを経験する中で、自分の好きな香りに出会えるでしょう。

香りの感じ方

お線香の感じ方はその日の体調や気分によってもかわることがあります。疲れている時には癒される香りが、普段はしっかりした香りが好きなどさまざまです。また同じ香りを長時間かぐと鼻がその香りに慣れてしまい、よくわからなくなることもあります。定期的にお線香をかえるのもよろしいでしょう。

香りや煙で体調が優れいないことがあった場合はお線香の種類をかえる、使用時間を短くする、窓をあける・換気扇を回すといった空気の入替えなどをしてください。改善しない場合は電子タイプのお線香にする、医者に相談するなどの対応がよろしいでしょう。
動物(ペット)も香りを苦手にする子がいるかもしれません。データが少なく明確になっていないようですが、心配な場合は獣医に相談しましょう。お線香の部屋にはいれないようにするなどの対策もよろしいでしょう。

種類 長さ 燃焼時間
ミニ寸(一般的な長さの半分) 約7cm~9cm 10分~15分程度
短寸(一般的な長さ) 約13cm~15cm 25分~40分程度。
少煙では20分程になる場合もある
長尺寸(主に寺院で使用) 約25cm~70cm 燃焼時間60分~7時間

※お線香の燃焼時間は、個体差や環境によってかわりますが上記の表が目安がになります。

火事に気をつけよう

お線香は火を使用しますので、火事にならないように注意しましょう。火のついたお線香が座布団や畳などに落ちて火事になることがあります。

注意すること

  • 近くに燃えるものを置かない
  • 風があたないようにする
  • お線香がたおれないように香炉の灰の量に注意する
  • 香炉の下に防炎マットを敷く
  • 短い線香を使用する

線香を折る、香炉に寝かす、もよろしいでしょう。宗派によっては寝かす・折るをすることがありますので仏様に失礼にはなりません。線香を寝かすタイプの香炉もあります。火を使わない場合は電子タイプのお線香もよろしいでしょう。
電子タイプのお線香についてはこちら

※仏壇マットははさみでお好みのサイズにカットができます。

香の十徳(じゅっとく)とは

お香の効能を端的に伝える詩文です。北宋の詩人、黄庭堅(こうていけん)によって記された漢詩で、日本では「一休さん」の説話でも知られる一休宗純(いっきゅうそうじゅん)によって広められました。

  1. 感格鬼神 (感は鬼神に格(いた)り) 
    感覚を研ぎ澄まし集中できる
  2. 清淨心身 (心身を清浄にし) 
    心身を清浄にする
  3. 能除汚穢 (能(よ)く汚穢(おわい)を除き) 
    よく穢れや汚れを取り除く
  4. 能覺睡眠 (能(よ)く睡眠を覚し) 
    よく眠気を覚ます・眠りを誘う
  5. 静中成友 (静中に友と成り) 
    孤独な時に安らぎをもたらす
  6. 塵裏偸閑 (塵裏(じんり)に閑(ひま)を偸(ぬす)む) 
    忙しい時にも心を和ませる
  7. 多而不厭 (多くして厭(いと)わず) 
    多くても邪魔にならない
  8. 寡而為足 ( 寡(すくな)くして足れりとす) 
    少なくても十分に香る
  9. 久蔵不朽 (久しく蔵(たくわ)えて朽ちず) 
    年月を経ても朽ちない
  10. 常用無障 (常に用いて障り無し) 
    常に用いても害はない

お線香は薬ではないため、効果があるとは明記はできません。しかし昔からお香の素晴らしさが説かれています。意味を感じつつお線香を焚いてみるのもよろしいでしょう。

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