お仏壇にご飯をお供えする意味
お仏壇へのお供え物は「五供(ごく)」が基本です。五供とは、お線香、生花、ローソクの灯り、ご飯、水のことを指します。
ここでは、お仏壇へご飯をお供えする意味について詳しく解説します。
お仏壇へご飯をお供えするのはなぜ?
お仏壇へご飯をお供えするのは、「飲食供養(おんじきくよう)」を目的としています。飲食供養とは、食べ物や飲み物を仏様やご先祖様へお供えすることで、日々食べる物に困らず生活を送れていることへの感謝と供養の気持ちを形に表す行為です。
ご飯(白米)は古くから日本人の主食として親しまれ、繁栄や命を繋ぐ象徴として神仏のお供え物に使用されてきました。お仏壇へご飯をお供えする行為は、仏様やご先祖様を敬い、命や家族の繋がりをより一層深める重要な意味を持っています。
お仏壇へお供えするご飯のことを、「仏飯(ぶっぱん)」、「仏供(ぶっく)」などとも呼びます。
そのため、炊きたてのご飯をお供えするとよいでしょう。
ご飯の盛り方と置き方(位置・個数)
お仏壇にお供えするご飯の盛り方や位置・個数について、宗派やお寺によっては定められている場合があります。ここでは、お仏壇にご飯をお供えする一般的な方法を、浄土真宗とその他宗派に分けて解説します。
ご飯の盛り方
ご飯の盛り方は浄土真宗のみ決まりがあります。
その他の宗派(天台宗、真言宗、浄土宗、曹洞宗、臨済宗、日蓮宗など)は特に決まりはなく、一般的には仏飯器にご飯を丸く山盛りにするように盛ります。
浄土真宗の場合
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浄土真宗本願寺派(西)
蓮のつぼみの形をイメージして、山型に盛ります。 -
浄土真宗真宗大谷派(東)
蓮の実の形をイメージして、円筒形に盛ります。「盛槽(もっそう)」という道具を使用すると便利です。
ご飯をお供えする個数と配置
ご飯をお供えする数に絶対的な決まりはありません。
浄土真宗以外の宗派では、お仏壇の中段(ご本尊をお祀りする段の一つ下)に、仏飯器1つと湯呑(茶湯器)1~2つを並べてお供えする形が一般的です。
お寺や地域、法事の有無によって個数や並べ方が異なる場合もありますので、事前に菩提寺の住職に確認されると安心です。
浄土真宗の場合
通常2~3個のご飯をお供えしますが、近年はお仏壇の小型化などによりご飯を1個に省略した形でお供えすることもあります。
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浄土真宗本願寺派(西)
ご本尊と脇侍(ご本尊の両脇にお祀りする仏様)の手前に1つずつ・合わせて3つの仏飯をお供えします。お仏壇内部のスペースの事情などにより簡略化する場合は、ご本尊の手前にのみ仏飯器・仏飯器台をお供えします。 -
浄土真宗真宗大谷派(東)
仏飯をご本尊の手前に2つ並べます。簡略化する場合は仏飯を1つにします。
※浄土真宗では水やお茶はお供えしないため、湯呑・茶湯器は不要です。
■お仏具の飾り方について詳しくはこちら
宗派やお仏壇の大きさに合わせた仏具の飾り方について、詳しく図解しています。
ご飯のお供えと下げるタイミング
ご飯はいつお供えしていつ下げるのが正しい作法でしょうか。また、下げたご飯は捨ててもいいのでしょうか。ここでは、ご飯をお供えするタイミングと頻度・回数、ご飯を下げるタイミング、下げた後のご飯をどうするべきか具体的に解説します。
ご飯をお供えするタイミング・時間帯
決まりはありませんが、朝一番に炊き立てのご飯を毎日お供えすることが理想的です。朝お供えするのが難しい場合は、自分たちが食事をするタイミングや都合の良い時間帯(お昼・夕方・夜など)でも構いません。
1日に何回お供えするべき?
ご飯をお供えする頻度や回数に決まりはなく、毎朝一回お供えすることが一般的です。もちろん、食事のたびにお供えしても構いません。
ご飯を下げるタイミング
仏様やご先祖様はご飯そのものではなく湯気や香りをいただくといわれています。そのため、長時間お供えする必要はなく、湯気が出なくなった頃には下げて構いません。長時間お供えしたままだとご飯が固まり仏飯器を洗いづらくなるため、朝一番にお供えした場合は、遅くともお昼前には下げるといいでしょう。
お下がりのご飯の処分方法
お仏壇から下げたご飯は「仏様のお下がり」として美味しくいただきましょう。お下がりをいただくことは、食べ物に困らず生活できていることに感謝を表す行為でもあります。
下げたご飯を食べないといけないという決まりはないため、ご飯が硬くなってしまった場合や衛生的に抵抗がある場合は、生ごみとして処分しても問題ありません。
土に埋めて他の生き物に食べてもらうという方法もありますが、無理のない可能な方法で処分しましょう。
ご飯のお供えに必要な仏具
お仏壇にご飯をお供えする時は、専用の仏具を使用します。お仏壇の内部はお浄土の世界を表しているため、故人様が生前使用していた現世のお茶碗や食器などは基本的に用いません。ここでは、ご飯をお供えするための専用仏具と購入できる場所についてご紹介します。
ご飯をお供えする専用仏具
お仏壇にご飯をお供えする際には、「仏飯器(ぶっぱんき)」という専用の仏具を使用します。
陶器や真鍮など多様な素材で作られており、模様・柄の種類も豊富です。また、仏飯器は一般的に脚の高いお茶碗のような形をしていますが、近年はモダンデザインの仏具も増えて形状も様々です。浄土真宗など、宗派によっては形や色に決まりがある場合もありますが、基本的にはお好きなデザイン・色味の仏飯器を選んで問題ありません。
仏飯器の隣には、お仏壇用の「湯呑」を並べ、「仏器膳(ぶっきぜん)」というお仏壇用のお膳の上に置いてお供えします。
お盆・お彼岸や四十九日などの法要では、「御霊供膳(おりょうぐぜん)」という器とお膳のセットを用いる場合もあります。御霊供膳にはご飯と合わせて精進料理をお供えします。
■御霊供膳について詳しくはこちら
御霊供膳とは、仏様やご先祖様への感謝・供養のために精進料理をお供えする小型のお膳です。並べ方や使うタイミング、メニュー例など基礎知識を解説します。
浄土真宗の場合
浄土真宗本願寺派(西)の場合、黒または焼き色がついた仏飯器を使用します。
浄土真宗真宗大谷派(東)の場合、金の仏飯器を使用します。
浄土真宗では仏飯器を「仏飯器台」の上に置いてお供えします。
仏具の購入場所
仏飯器・仏器膳などの仏具は仏壇仏具店で購入することができます。専門店のため種類やサイズも豊富かつ、お仏壇や宗派に合った仏具の選び方を店舗スタッフに相談することも可能です。
>>最寄りのはせがわ店舗を探す
お近くに店舗がない場合は、インターネット通販(オンラインショップ)のご利用がおすすめです。
>>はせがわオンラインショップはこちら
他にも、ホームセンター、100円均一ショップなどでも購入することが可能です。
よくある質問
仏飯に関するよくある5つの質問に回答します。
Q1. 白米以外のものをお供えしてもいいでしょうか。
A. パンや雑穀米など、白米以外のお供えでも問題ありません。
白米のお供えが一般的ではありますが、仏様は食べ物そのものでなく湯気や香りをいただくため、ライフスタイルに合わせて無理なくお供え物を続けていくことが最も望ましいでしょう。例えば、朝食に毎日パンを食べるためご飯を炊かないという場合は、ご飯の代わりにパンをお供えしたり、雑穀米・玄米・赤飯などの白米以外のご飯をお供えしたりすることも可能です。
ただし、肉・魚や匂いの強いものはお供え物に不向きとされますので避けたほうが無難です。
Q2. お供えするのは炊き立てのご飯でなければいけませんか。
A. 炊き立てのご飯が望ましいとされていますが、決まりではありません。
最も大切なことは、仏様やご先祖様への感謝の気持ちです。炊き立てのご飯を準備することができない場合は、炊飯器で保温されたご飯や冷凍ご飯を解凍したもの、レトルトパウチのご飯などをお供えしても失礼ではありません。作法にこだわりすぎず、柔軟に対応しましょう。
Q3. お仏壇にご飯をお供えする場合、箸もあった方がいいですか。
A. 直接食べ物を召し上がるわけではないため、箸は不要です。
ご飯に箸を立ててお供えするイメージを抱かれる方もいらっしゃいますが、箸を立てるのは葬儀の「枕飯」をお供えする時のみのため、普段のお供えでは不要です。
御霊供膳など、箸がセットになっている仏具の場合は一緒にお供えします。
Q4. ご飯が硬くなるのを防ぐため、仏飯にラップをしたままお供えしてもいいでしょうか。
A. 可能であれば、湯気や香りが伝わるようにラップを少しずらしてお供えすることをおすすめします。
仏様やご先祖様は食べ物の湯気や香りを召し上がるといわれています。そのため、できれば湯気や香りが伝わる程度にラップをずらしてお供えされるとよいでしょう。
Q5. ご飯を毎日お供えすることができない場合、サンプル(イミテーション)の仏飯を使用してもいいですか。
A. サンプル(イミテーション)の仏飯を使用しても問題ありません。
本物の食べ物をお供えすることが望ましいですが、難しい場合はサンプルやイミテーションを用いても構いません。サンプル(イミテーション)を用いる場合でも、面倒がらず心を込めてお供えしましょう。