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葬儀後に置く後飾り祭壇とは?宗派・宗教別の飾り方や処分方法を解説

葬儀後に置く後飾り祭壇とは?宗派・宗教別の飾り方や処分方法を解説
後飾り祭壇は、葬儀後から忌明けまでの間に故人様を偲び、自宅にお祀りする仮の祭壇のことです。故人様を自宅に安置するにあたっては、遺族や弔問客がお参りしやすい環境を整え、宗派や宗教に合わせたものを飾ることが大切です。

このページでは、後飾り祭壇とは何か、仏具などの並べ方を見本付きで解説し、お供え物や処分の方法についてご紹介します。

いつ、どこに飾る?後飾り祭壇とは

骨壺の画像

祭壇とは、神仏や霊にお供え物を捧げたり祭器を祀ったりするために使用する、宗教的儀式に用いられる台のことです。仏教における祭壇とは、仏様や故人様を供養するための檀のことを指します。
以下では、葬儀の後に自宅へ設置する後飾り祭壇の意味や、宗派ごとの祭壇の特徴について解説します。

後飾り祭壇ってなに?いつまで飾る?

後飾り祭壇とは、亡くなった方のご遺骨や白木位牌を、一時的に自宅で祀るための祭壇のことです。「仮祭壇」や「自宅飾り」「後壇」、関西の地域では「中陰壇」と呼ばれます。
遺族が火葬場から帰宅後にすぐ設置する場合が多く、火葬に立ち会わない遺族がいる際は、全ての遺族が自宅に集まってから設置する場合もあります。
また、後飾り祭壇は故人様を偲び、火葬後から忌明け(四十九日法要後)まで自宅で設けられることが一般的ですが、納骨を済ませるまで使用を続けることも可能です。

■祭壇の準備はどうする?

後飾り祭壇は葬儀社にご準備いただくことが多いです。また、はせがわなどの仏壇専門店でも取り扱われている場合があり、「盆棚」や「精霊棚」という表記で販売されているものも、後飾り祭壇としてお使いいただけます。
葬儀のプランに祭壇が含まれておらずご自身で用意をする場合は、ぜひはせがわオンラインショップをご利用ください。
はせがわオンラインショップは<こちら>

■四十九日について詳しくはこちら

四十九日とは?何をするべき?|意味・すること・準備の仕方を解説

四十九日の意味やするべきこと、四十九日法要の準備の仕方など、四十九日に関する基本を徹底解説するページです。また、葬儀後から四十九日までの具体的な流れについてもご紹介しています。

祭壇はどこに飾るの?

後飾り祭壇は基本的にお仏壇の前へ設置します。お仏壇がない場合は、部屋の北側や西側に設置されることがありますが、祭壇において方角はあまり重要視されていません。生活の妨げにならないスペースを選び、安置するようにしましょう。
また仏壇と同じく、神棚の下やトイレの近くへの設置は可能な範囲で避けましょう。

祭壇はどんなものがある?

仏式の祭壇は、お寺のご本尊を祀る須弥壇や家庭用の仏壇などの常設祭壇、葬儀の祭壇や後飾り祭壇などの仮設祭壇という大きく分けて2つの種類があります。
葬儀、四十九日、忌明けのその後、と供養のタイミングに合わせた祭壇で故人様を大切に祀ります。

宗派・宗教別の祭壇の飾り方

飾られた祭壇の画像

後飾り祭壇には故人様のご遺骨や白木位牌をはじめ、四十九日までのご供養に必要となる仏具やお供え物などを並べます。祭壇への飾り方は信仰する対象によって異なりますので、ご自身の宗派や宗教にあわせて飾りましょう。以下では、自宅での祭壇の飾り方や仏具の並べ方について解説します。

仏式の基本的な飾り方

後飾り祭壇には、2つや3つの段がある組み立て式の白木にどんす(白布)をかけたものを使用する場合が一般的です。最近ではダンボールや紙など様々な素材で用意されていることがあります。
設置スペースが狭い場合には2段型、設置スペースに余裕があり、仏具などを並べる場所にゆとりをもたせたい場合には3段型の祭壇を選ばれることが多いです。
信仰する宗派やお住まいの地域によって、祭壇の段ごとに配置するものが決まっている場合があります。不明な場合は菩提寺や葬儀社、地域のしきたりに詳しい方へ確認するとよいでしょう。

2段型祭壇の飾り例

2段の後飾り祭壇お飾り例の画像



上段
遺影(写真)、白木位牌、ご遺骨(骨壺)
下段
香炉、花立、火立、線香差、湯呑、仏飯器、おりん など

祭壇の手前には、サイズの大きい供花を並べる場合があります。

3段型祭壇の飾り例

3段の後飾り祭壇お飾り例の画像


上段
白木位牌、ご遺骨(骨壺)
中段
遺影(写真)、お供え物 など
下段
香炉、花立、火立、線香差、湯呑、仏飯器、おりん など

お供え物がある場合は中段に飾られることが一般的です。

浄土真宗の飾り方

浄土真宗の後飾り祭壇お飾り例の画像




浄土真宗は多くの場合、仏式の基本的な飾り方にはせず、一段型の祭壇に遺影(写真)、白木位牌、ご遺骨(骨壺)を安置する形をとります。
菩提寺やお付き合いのある寺院があれば、祭壇の飾り方について確認しておきましょう。

仏式以外の祭壇の並べ方

神道

神式の後飾り祭壇は「仮霊舎(かりみたまや)」と呼びます。
設置期間は明確に決められておらず、亡くなった日から50日目に行う五十日祭(神式の忌明け前に行う儀式)まで飾られる場合が多いです。正式には「八足台(神道のお供えを置く台)」を用いますが、仏式と同様の後飾り祭壇も使用できます。

神道の仮霊舎飾り例の画像

上段
遺影(写真)、ご遺骨(骨壺) など
中段
霊璽(れいじ)、榊 など
下段
平次、洗米皿、水玉、火立 など

神饌(しんせん・お供え用の神具)を飾る際は、三宝にのせるとより丁寧な飾り方となります。また神道の儀式で使用する玉串(たまぐし)は、仮霊舎の下段へ置かれることがあります。

■神具の祀り方について詳しくはこちら

神具などお供え物はどう飾る?神棚の祀り方(配置)について解説

神道のお供えに必要なものや神具の置き方、お供えするタイミングをご紹介しているページです。

キリスト教

キリスト教では決まった形の祭壇はなく、どんな形の祭壇でも飾っていただけます。祭壇を設置する期間は、プロテスタントは召天記念日、カトリックは追悼ミサまでとされています。
祭壇を用意する場合は、遺影(写真)、ご遺骨(骨壺)のほか、十字架や聖書、皿にのせたパンなどが飾られることが多いです。

ペットのための祭壇

ペットを家族の一員として供養する場合、ペットのための祭壇を自宅に用意されることもおすすめです。はせがわでは、ペットの眠る場所・家族のお参りの場所としてお使いいただける、コンパクトなお仏壇やステージを取り扱っております。
ペット仏壇・ステージのページは<こちら>

祭壇には何をお供えするの?

祭壇に飾るお供え物の画像

四十九日までは、故人様へお参りするために後飾り祭壇の前で毎日手を合わせます。故人様の供養に専念し、祭壇にはお供え物を絶やさないようにしましょう。以下では、祭壇に供える基本的なお供え物を紹介します。

基本的なお供え物(浄土真宗以外)

日々のお供え物は、五供(ごく)と呼ばれる「お線香(香)」「ローソク(灯明)」「生花(花)」「ご飯(飲食)」「水(浄水)」が基本です。
水やご飯は一日に1回お供えします。タイミングはいつでもよいですが、家族の食事前にお供えされる場合が多く、お参りした後に下げて家族と分けていただきます。
五供のほか、故人様の好物のお菓子や果物などをお供えすることもおすすめです。また、弔問客などよりいただいたお供物があればあわせてお供えしましょう。
住職のお考えによっては、祭壇にお供え物をしないとする場合もあります。菩提寺やお付き合いのある寺院があればご相談いただくとよいでしょう。

浄土真宗のお供え物

浄土真宗では、水や御膳は一般的にお供えしません。
浄土真宗の教えには、仏様の喉が渇くという考え方が存在しないため、水のお供えは基本的には不要と考えられています。
お仏壇へ仏具を飾る場合、水やご飯の代わりに「華瓶(けびょう)」という仏具に「樒(しきみ)」という青木を挿してお供えすることが一般的です。

■仏具について詳しくはこちら

仏具の種類一覧【完全版】名称や意味、仏壇への置き方も徹底解説

初めて仏具を購入する方へ向けて、後飾り祭壇やお仏壇に飾る仏具の種類を画像付きで解説しているページです。また、近年人気が高まっているモダンな仏具もあわせてご紹介しています。

供花(お花のお供え)はどれを選ぶ?

四十九日までのお花は、白を中心とした色味で長く日持ちするお花が良いとされています。最近では、伝統的にタブーとされてきた種類も飾られることが多く、仏花としてよく知られているユリ、菊、胡蝶蘭のほか、バラやカーネーションなどの華やかなお花も選ばれています。また、故人様がお好きだったお花をお供えするのもよいでしょう。
後飾り祭壇には生花を飾ることが一般的ですが、ペットと生活していたり定期的な管理が難しい場合などには、造花やプリザーブドフラワーをお供えすることもおすすめです。

住職のお考えによっては後飾り祭壇ではなく、あればお仏壇のほうにお花を飾るように檀家へ伝える場合もあります。

■供花について詳しくはこちら

仏壇やお墓に飾る仏花とは?造花はダメ?タブーなお花と飾り方を解説

お供え物のひとつである仏花の種類や飾り方について解説しているページです。また、造花・プリザーブドフラワーのお供え物も紹介しています。

祭壇の活用や処分について

手を合わせる喪服の人物画像

忌明けの後飾り祭壇は、取り外した後どのように処分できるでしょうか。以下では、役目を終えた祭壇の活用や処分方法をご紹介します。

忌明けの後飾り祭壇はどうする?

四十九日の法要後、故人様のご供養はお仏壇で行うことになるため、ご遺骨などを仮で安置していた祭壇は不要となり、取り外して処分をします。中には忌明けも祭壇を処分せず、故人様の新盆や法事などでお供えの飾り棚として再利用される方もいらっしゃいます。忌明けもお使いになる場合は、取り外して丁寧に保管しましょう。

一般的な処分方法とは

後飾り祭壇は取り外した後、以下のような処分方法があります。
祭壇の処分や回収の際は、仮で使用していた仏具も不要な場合、まとめて処分や回収を行いましょう。

葬儀社に回収していただく

祭壇を葬儀社に用意していただいた場合、多くは回収まで行っていただけます。葬儀のプランに回収まで含まれているかどうか確認しておきましょう。

地域の自治体にごみとして出す

祭壇そのものには仏様の魂が宿っていないため、地域の自治体の決まりに沿って処分ができます。

仏壇仏具店に引き取りを依頼する

仏壇仏具店では、役目を終えた仏壇・仏具の引き取りを行っている場合があります。はせがわ店舗では通常のお仏壇のほか、祭壇や仏具の引き取りも承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
お近くのはせがわ店舗は<こちら>

一部の寺院では、お焚き上げ(燃やして供養する方法)が可能な場合もあります。処分に抵抗がある方は菩提寺やお付き合いのある寺院があれば確認してみましょう。

よくある質問

Q&Aの画像

最後に、後飾り祭壇についてよくお寄せいただく質問をご紹介いたします。

Q1.祭壇は自作のものでもよい?

A.後飾り祭壇は手作りしてご用意いただいても問題ありません。

台の上にはどんすなどの白布を敷いて、仏具を飾りましょう。最近では、ダンボールや紙で祭壇を作られる方もいらっしゃいます。
また座ってお参りができる高さで、お供え物が置ける台がご自宅にあれば代用することも可能です。

Q2.火葬後にすぐ納骨した場合、後飾り祭壇は必要?

A.納骨まで一時的にご遺骨を安置する祭壇のため、納骨を済ませている場合は不要とされます。

浄土真宗以外の宗派では、故人様の魂が四十九日までこの世にいらっしゃるという考えにのっとり、四十九日までは祭壇を設置されることが多いです。

後飾り祭壇に関する内容をはじめ、はせがわではご供養全般のご相談を承っております。ぜひお気軽にお近くの店舗までお越しください。
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