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お経を唱える意味とは?各宗派で読まれるお経や般若心経の全文も紹介

お経を唱える意味とは?各宗派で読まれるお経や般若心経の全文も紹介

葬儀や法要などで唱えられる「お経」。お経を唱える目的は、先祖供養のためだけではありません。このページでは、お経の意味や役割をお経の成り立ちから紐解きます。また、般若心経など代表的な4つのお経や各宗派で読まれるお経について解説し、2つのお経全文をふりがなと現代語訳付きで紹介します。

お経の成り立ちと意味

お仏像の写真

お経とはそもそもどのような意味を持つものなのでしょうか。お経の歴史・成り立ちを知ることで、お経の意味や目的を理解することができます。ここでは、お経の教えを説いたお釈迦様の生涯を振り返り、現代におけるお経の役割を解説します。

お経の歴史と背景

◆お経とは

仏教の開祖であるお釈迦様が口頭で説いた教えを、弟子たちが書き残したものです。

お釈迦様の生涯

お経のもととなる教えを説いたお釈迦様の生涯を振り返り、お経の成り立ちを解説します。

ゴータマ・シッダールタ(お釈迦様)は、紀元前5~6世紀ごろに現ネパール領のルンビニーという場所で生まれました。王家の長男として何不自由なく過ごしますが、城の外で老人、病人、死人を見かけたことで、貧富に関係なく誰しもが逃れられない苦しみがあることを知り思い悩むことになります。

本当の幸福とは何か、いかに生きるべきかという疑問に対する答えを探すため、シッダールタは家族も地位も捨て、29歳で出家します。そして、6年間の厳しい修行と瞑想によって、ついに悟りの道を開きます。

お釈迦様は80歳で亡くなるまでの約45年間、各地に赴き口頭で教えを説き続けました。お釈迦様が亡くなった後、弟子たちがお釈迦様の教えを後世へ伝えるために書物に記録したものがお経の始まりといわれています。
お釈迦様は相手に合わせ、話の内容を変えて説法されたため、いくつものお経が存在するとされています。

日本へのお経の伝来

お経はインドで広がり、シルクロードを通じて中国、そして日本へと伝わりました。日本にお経が伝来したのは500年代(古墳時代)といわれています。
お経はもともとサンスクリット語で書かれていましたが、中国で漢字に訳され、日本に伝わるまでの過程で膨大な数に分かれていきました。「七千余巻」ともいわれるほどの、数えきれない種類のお経が存在します。

お経の種類(分類)

仏教の経典は、3つに大別され、合わせて「三蔵(さんぞう)」と呼びます。3種のお経全てに精通した高僧は「三蔵法師」と呼ばれます。

  1. 経(きょう)
    お釈迦様が説いた教えが記されたもの

  2. 律(りつ)
    僧侶が守るべき戒律が記されたもの

  3. 論(ろん)
    経や律に対しての注釈や学僧による理論を収めたもの(思想書)

お経を唱える意味

お経は葬儀や法要で耳にする機会が多いため、亡くなった方の供養のために唱えるものと考える方が多いと思います。お経にはそのような一面もありますが、もう一つ大切な役割があります。ここでは、お経を唱える意味やお経の役割について詳しく解説します。

お経の本来の役割

お釈迦様は、苦しみと正面から向き合って悟りを開き、生きている人を幸せに導くために教えを説かれました。そのため、お釈迦様の教えを記したお経も本来、生きている人に向けて読まれているものなのです。お経は意味が分からなくても、聞いているだけでご利益があるといわれています。
ただし、現代では葬儀や法要で故人様のためにお経を唱える機会が多いため、先祖供養もお経を唱える重要な目的のひとつとされています。

葬儀でお経を唱える理由

葬儀でのお経は、故人様のやすらかな眠りとお浄土での幸せを祈祷することが目的とされています。また、ご遺族の心を癒す役割もあります。

法要でお経を唱える理由

初七日や四十九日法要、一周忌など「追善供養」でのお経は、葬儀時にあげるお経と目的が異なります。法要でのお経は、お経を唱えることで得られる自分の「徳」を、故人様へ回し向け、冥福を祈ることを目的としています。(「回向(えこう)」といいます。)

代表的な4つのお経

お経を唱える住職

お経には数えきれないほどの種類があるといわれていますが、ここでは各宗派で特に重要とされている代表的な4つのお経について解説します。

1. 般若波羅蜜多心経(般若心経)

「般若心経(はんにゃしんぎょう)」は日本で広く知られているお経のひとつで、正式には「般若波羅蜜多心経(はんにゃはらみったしんぎょう)」と言います。
般若心経は、西遊記に登場する三蔵法師として有名な、玄奘(げんじょう・げんぞう)によって完成されました。玄奘は、般若心経の原書とされるインドの「大般若経」を中国に持ち帰り、サンスクリット語で書かれた内容を漢語に訳し、600巻ほどにまとめました。般若心経は、この600巻の内容をさらに約300字に凝縮して表現したもので、仏教の真髄となる教えがしたためられています。

般若心経には、自ら思考し、悟りの境地に達するための教えが説かれており、仏教の核心的な概念である「空(くう)」の教えを中心に展開しています。ここでの「空」とは、全てのものは永続的な実体を持たない(全てのものは変化し続けるため定まった形はない)という考え方を指しています。
般若心経は、この「空」の教えを通じて、固定された観念や執着から解放され、真の悟りへと至る道を指し示しています。自らの内面を深く探求し、真理を見いだすプロセスを通じて、個人は苦しみからの解放と精神的な平和を得ることができるとされています。

般若心経は、天台宗、真言宗、曹洞宗、臨済宗、浄土宗など多くの宗派で読まれていますが、日蓮宗や浄土真宗では唱えません。

2. 阿弥陀経

「阿弥陀経」は仏教において重要な経典のひとつで、特に浄土宗、浄土真宗で唱えられます。
お経は、弟子からの問いかけにお釈迦様が答えられる「掛け合い形式」になっているものが多いですが、阿弥陀経はお釈迦様のみが語られているという特徴があります。

阿弥陀経では、極楽浄土の様子と極楽往生するための方法について説いています。「南無阿弥陀仏」の念仏を心を乱さず唱えることで、阿弥陀様が全ての人々を極楽浄土へ導いてくださるとされています。

3. 妙法蓮華経(法華経)

「法華経(ほけきょう)」は、天台宗、日蓮宗で読み上げられることが多い経典で、正式には「妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)」といいます。

法華経では、全ての生き物は「仏の心」を持ち合わせているとされています。「南無妙法蓮華経」のお題目を唱えることで「仏の心」を呼び覚まし、誰もが差別なく平等に成仏できることを説いています。
法華経が説かれる前は、女性や武士など一部の人々は成仏できないといわれていましたが、法華経により全ての存在が救われることが明かされました。

4. 大方広仏華厳経(華厳経)

「華厳経(けごんきょう)」は、お釈迦様の様々な教えをまとめた経典です。正式には「大方広仏華厳経(だいほうこうぶつけごんきょう)」といいます。特に華厳宗や融通念仏宗で重要とされています。数十巻にも及ぶ文量で、内容の難解さは数あるお経の中でもトップクラスといわれています。

華厳経では仏の心に映る4つの世界「四法界(しほっかい)」について説き、自分本位の解釈や偏見を持たず、真実をありのままに見つめることが大切だとしています。また、華厳経の中に登場する「毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)」を形に表したものが、東大寺の大仏です。

各宗派で読まれるお経の一覧

経本と数珠

仏教の宗派ごとに、重要とされる経典やよく読まれるお経は異なります。ここでは、主要八宗について、それぞれよく唱えられているお経の種類と概要を紹介します。

※宗派名をクリックすると、各宗派の項目に移動します。

天台宗

天台宗は中国で開かれた宗派です。平安時代、遣唐使として中国に渡った最澄(伝教大師)が日本に伝えました。

天台宗では「法華経(ほけきょう)」をよりどころとしており、身分などに関係なく、全ての者が仏様になることができるという教えを説いています。(「法華一乗(ほっけいちじょう)」といいます。)

◆よく読まれるお経

  • 自我偈(じがげ)
    法華経の一部で、お釈迦様は永遠の命を持っており、姿が見えずとも、衆生を教え導くために常に見守っているということを説いています。

  • 観音経(かんのんきょう)
    法華経の一部で、観音菩薩の力による救いについて説いています。

  • 般若心経

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真言宗

真言宗は、中国で密教を学んだ空海(弘法大師)が、平安時代初期に日本に広めた宗派です。現世で修業を積み、心を清く保つことで、生きながらにして誰もが仏様になれるという「即身成仏」の教えを基本としています。

◆よく読まれるお経

  • 理趣経(りしゅきょう)
    煩悩を肯定的に捉えているお経ですが、個人の小さな欲望にとらわれるのではなく、世のため人のためとなる大欲を持つことが大切だとしています。

  • 遺教経(ゆいきょうぎょう)
    お釈迦様が臨終を前に最後に行ったとされる説法が書かれています。

  • 十三仏真言
    極楽浄土に導いてくださる十三の仏様の、真実の言葉を唱えるお経です。

  • 大日経
    大日如来による説法をまとめたものです。

  • 般若心経

  • 法華経

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浄土宗

浄土宗は、平安時代末期に法然によって開かれた宗派です。阿弥陀様(阿弥陀如来)の救いを信じ、「南無阿弥陀仏」と熱心に唱えることで、極楽浄土に往生することができると説いています。
「無量寿経(むりょうじゅきょう)」、「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)」、「阿弥陀経」の3つの経典からなる浄土三部経をよりどころとしています。

◆よく読まれるお経

  • 無量寿経
    大無量寿経とも呼ばれます。どんな人も必ず救うという阿弥陀様の本願(慈悲)がお釈迦様によって説かれています。

  • 観無量寿経
    極楽浄土に往生する方法として16の観想を説いています。

  • 阿弥陀経

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曹洞宗

曹洞宗は、中国で開かれた宗派で、鎌倉時代に道元(承陽大師)によって日本に伝えられました。日本三禅宗のひとつで、無心に坐禅をする「只管打坐(しかんたざ)」という修行が重要とされています。また、人は生まれながらにして仏様の心を持ち合わせているという「即身是仏(そくしんぜぶつ)」の教えを説いています。
曹洞宗では、道元が記した「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」と、曹洞宗を広めた太祖である瑩山の説法を記した「伝光録(でんこうろく)」を基本の経典としています。

◆よく読まれるお経

  • 修証義(しゅしょうぎ)
    正法眼蔵から重要箇所を抜き出し、明治時代に編集したものです。曹洞宗の教えを日々の生活でも実践できるようにまとめています。

  • 般若心経

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臨済宗

臨済宗は中国で開かれた宗派で、鎌倉時代に栄西によって日本に伝えられました。日本三禅宗のひとつで、14の宗派に分かれています。
曹洞宗と同様に坐禅修行が重要とされていますが、臨済宗の場合は「看話禅(かんなぜん)」と呼ばれる対面形式の坐禅を行なうことが特徴です。

◆よく読まれるお経

  • 観音経(かんのんきょう)
    法華経の一部で、観音菩薩の力による救いについて説いています。

  • 大悲呪(だいひしゅ)
    観音菩薩の大いなる慈悲の心を説いた経典です。

  • 般若心経

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日蓮宗

日蓮宗は鎌倉時代に日蓮上人によって開かれた宗派で、「法華経」をよりどころとしています。お題目である「南無妙法蓮華経」を繰り返し唱えることが重要としており、「差別なく誰でも平等に成仏できる」と説いています。

浄土真宗(本願寺派、真宗大谷派)

浄土真宗は鎌倉時代に親鸞聖人によって開かれ、現在日本で最も多い宗派です。浄土真と同様に、浄土三部経(「無量寿経」、「観無量寿経」、「阿弥陀経」)をよりどころとしています。

浄土真宗は「南無阿弥陀仏」と唱え、阿弥陀様(阿弥陀如来)に救いを求めることで成仏することができる「他力本願」の思想を説いています。
そのため、自ら考えて悟りに至るための思想が記されている般若心経は唱えません。

◆よく読まれるお経

  • 讃仏偈(さんぶつげ)
    無量寿経の一部で、法蔵菩薩(阿弥陀如来の前身)の師である世自在王如来(せじざいおうにょらい)の徳を讃えるお経です。

  • 重誓偈(じゅうせいげ)
    無量寿経の一部で、法蔵菩薩が人々を救うために立てた誓いが書かれたお経です。「三誓偈(さんせいげ)」とも呼ばれます。

  • 正信偈(しょうしんげ)
    親鸞聖人により記され、阿弥陀様の徳とそれを後世に伝えた高僧を讃えたものです。※お釈迦様の説法ではないため、厳密にいうとお経ではありません。

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【ふりがな・現代語訳付き】2つのお経全文

般若心経の経本

はせがわでは、「般若心経」または、無量寿経の「重誓偈(じゅうせいげ)」を朝のお勤めとして日々従業員が唱え、心を整えています。
ここでは、この2つのお経の全文を、読経のマナーと合わせて、読み方(ふりがな)と現代語訳付きでご紹介します。

読経のマナーと所作

住職の読経を聞くとき・自分でお経を唱えるときの所作について解説します。

  • 背筋を伸ばして座る
    正座または椅子に座るときは、背筋を伸ばして心を整えます。

  • お経の前後で合掌・一礼(礼拝)する
    お経の前後に、合掌した状態で一礼することが一般的です。(「礼拝(らいはい)」といいます。)

  • 数珠を手にかける
    お経を唱える際は、合掌した状態で数珠の輪に親指以外の指を通します。両手が入らない場合は、左手で同様に持ちます。お経を聞く際は、左手に数珠を持ちます。

宗派によって数珠の形や持ち方が異なります。詳しくは下記のリンクをご確認ください。

■数珠の持ち方・マナーについて詳しくはこちら

【図解】正しい数珠の持ち方・房の向き

数珠の種類別・宗派別の持ち方や、お葬式のときの数珠の持ち方・持った際の房の向きなどを図解しています。

般若心経全文

摩訶般若波羅蜜多心経(まかはんにゃはらみったしんぎょう)

観自在菩薩(かんじざいぼさつ) 行深般若波羅密多時(ぎょうじんはんにゃはらみたじ) 照見五蘊皆空(しょうけんごうんかいくう) 度一切苦厄(どいっさいくやく) 舎利子(しゃりし)

色不異空空不異色(しきふいくうくうふいしき) 色即是空空即是色(しきそくぜくうくうそくぜしき) 受想行識(じゅそうぎょうしき) 亦復如是(やくぶにょぜ) 舎利子(しゃりし)

是諸法空相(ぜしょほうくうそう) 不生不滅(ふしょうふめつ) 不垢不浄(ふくふじょう) 不増不減(ふぞうふげん) 是故空中(ぜこくうちゅう)

無色無受想行識(むしきむじゅそうぎょうしき) 無眼耳鼻舌身意(むげんにびぜっしんに) 無色聲香味觸法(むしきしょうこうみそくほう) 無眼界乃至無意識界(むげんかいないしむいしきかい)

無無明亦無無明盡(むむみょうやくむむみょうじん) 乃至無老死(ないしむろうし)  亦無老死盡(やくむろうしじん) 無苦集滅道(むくしゅうめつどう) 無智亦無得(むちやくむとく)

以無所得故(いむしょとくこ) 菩提薩埵(ぼだいさつた) 依般若波羅蜜多故(えはんにゃはらみたこ) 心無圭礙(しんむけげ) 無圭礙故(むけげこ) 無有恐怖(むうくふ)

遠離一切顛倒夢想(おんりいっさいてんどうむそう) 究竟涅槃(くきょうねはん) 三世諸仏(さんぜしょぶつ) 依般若波羅蜜多故(えはんにゃはらみたこ)

得阿耨多羅三藐三菩提(とくあのくたらさんみゃくさんぼだい) 故知般若波羅蜜多(こちはんにゃはらみた) 是大神呪(ぜだいじんしゅ) 是大明呪(ぜだいみょうしゅ)

是無上呪(ぜむじょうしゅ) 是無等等呪(ぜむとうどうしゅ) 能除一切苦(のうじょいっさいく) 眞實不虚(しんじつふこ) 故説般若波羅蜜多呪(こせつはんにゃはらみたしゅ)

即説呪曰(そくせつしゅうわっ) 羯諦羯諦波羅羯諦(ぎゃていぎゃていはらぎゃてい) 波羅僧羯諦菩提薩婆訶(はらそうぎゃていぼじそわか)

般若心經(はんにゃしんぎょう)

般若心経の現代語訳(意訳)

真実の智慧の経

観世音菩薩(観音様)は、深遠な般若の智慧を完成するための行をされているとき、人間の心身を構成する5つの要素はどれも「空(本質的なものではない)」と見極めて、一切の苦しみを取り除かれた。

舎利弗よ、形あるものは「空(実体がないこと)」と同じであり、「空」である(実体がない)からこそ、一時的に形あるものとして存在するものである。
感覚、思い、意志、そして認識などの他の心のはたらきもこれまた同じく「空」である。

舎利弗よ、この世界のあらゆる存在や現象には実体がないのだから、もともと生まれもせず、なくなりもせず、汚れたものでもなく、浄らかなものでもなく、増えることもないし、減ることもないのである。

だから、「空(実体がない)」ということの中には、形も、感覚も、思いも、意志も、認識もない。眼、耳、鼻、舌、身体、心という感覚器官もない。さらに、形、音、香、味、触感、心の対象といった、それぞれの器官に対する対象もないし、それを受け止める眼識から意識までのあらゆる世界もなく、無明(悟りに対する無知)もなければ、無明がなくなることもない。そしてついには老いと死もなく老いと死がなくなることもないことになる。苦も、その原因も、それをなくすことも、なくす方法もない。その結果、智慧を持つこともなければ得ることもない。

何ものも得ることがないからこそ、菩薩(悟りを求めるもの)は、般若波羅蜜多によって全てにわだかまりなく自由である(智慧の極致に住する)。 わだかまりがないから、恐れることもなく一切の物事を誤って考えることから遠く離れているので、永遠に静かな境地に安住するのである。そのため、智慧の極致に住する過去・現在・未来の仏たちは、般若波羅蜜多によって最高の悟りを得るのである。

だからこそ、このように知るがよい。般若波羅蜜多こそが素晴らしい霊力のあることば、即ち真言であり、大いなる真言、無上の真言、無比の真言であると。それは一切の苦厄を除いてくれるものであり、真実そのものなのである。

そこで、般若波羅蜜多の真言を説こう。即ち、これが真言である。往き往きて、彼岸に到った者こそ、悟りそのものである。

般若心経

重誓偈全文

我建超世願(がごんちょうせがん) 必至無上道(ひっしむじょうどう) 斯願不満足(しがんふまんぞく) 誓不成正覺(せいふじょうしょうがく)

我於無量劫(がおむりょうこう) 不為大施主(ふいだいせしゅ) 普濟諸貧苦(ふさいしょびんぐ) 誓不成正覺(せいふじょうしょうがく)

我至成佛道(がしじょうぶつどう) 名聲超十方(みょうしょうちょうじっぽう) 究竟靡所聞(くきょうみしょもん) 誓不成正覺(せいふじょうしょうがく)

離欲深正念(りよくじんしょうねん) 淨慧修梵行(じょうえしゅぼんぎょう) 志求無上道(しぐむじょうどう) 為諸天人師(いしょてんにんし)

神力演大光(じんりきえんだいこう) 普照無際土(ふしょうむさいど) 消除三垢冥(しょうじょさんくみょう) 廣濟衆厄難(こうさいしゅやくなん)

開彼智慧眼(かいひちえげん) 滅此昏盲闇(めっしこんもうあん) 閉塞諸惡道(へいそくしょあくどう) 通達善趣門(つうだつぜんしゅもん)

功祚成満足(こうそじょうまんぞく) 威耀朗十方(いようろうじっぽう) 日月戢重暉(にちがつしゅうじゅうき) 天光隠不現(てんこうおんふげん)

為衆開法藏(いしゅかいほうぞう) 廣施功德寶(こうせくどくほう) 常於大衆中(じょうおだいしゅじゅう) 説法獅子吼(せっぽうししく)

供養一切佛(くよういっさいぶつ) 具足衆德本(ぐそくしゅとくほん) 願慧悉成満(がんねしつじょうまん) 得為三界雄(とくいさんがいおう)

如佛無礙智(にょぶつむげち) 通達靡不照(つうだつみふしょう) 願我功慧力(がんがくえりき) 等此最勝尊(とうしさいしょうそん)

斯願若剋果(しがんにゃっこっか) 大千應感動(だいせんおうかんどう) 虚空諸天人(こくうしょてんにん) 当當雨珍妙華(とううちんみょうけ)

南無阿弥陀仏(なーまーんーだーぶー)(6回繰り返す)

願以此功德(がんにーしーくーどく) 平等施一切(びょうどうせーいーっさい) 同發菩提心(どうほつぼーだいしん) 往生安樂國(おうじょうあんらーっこー)

重誓偈の現代語訳(意訳)

わたしは世に超え優れた願を立ててかならず無上の道(悟り)を極めよう。もしこの願いが果たし遂げぬようなら誓って仏にはなるまい。
わたしは量ることのできないくらい長い時間をかけてでも大きな恵みの主となって、あまねく貧苦の人々を救いたいが、もしそれが叶わぬなら、誓って仏にはなるまい。
わたしが仏の道(悟り)を得たとき、その名は十方に超えて響き渡るであろう。もし名が聞こえない(一隅でも救えない)ところがあったなら、誓って仏にはなるまい。
欲を離れて心静かに清らかな知慧で菩薩の行いにいそしみ、無上の道(悟り)を求め、励んで世の人々の師となろう。
不思議の力で大いなる光明を放ち、分け隔てなく全ての国々を照らして、三毒(欲と怒りと愚かさ)の汚れを除き去り、あまたの煩い悩みを救いたい。
知慧の眼(まなこ)を開いては、この盲いて暗い闇夜をなくし、全ての悪の道をふさいでは、善趣(よきくに)の門(かど)に引き入れよう(善の道へと導こう)。
仏の成功が満ち足りて、その心身が十方に輝けば、日も月も光を奪われ、天の光もその輝きを隠すであろう。
全ての人々のために法(のり)の蔵を開き、功徳の宝の名号(みな)を与え、常に人々の中にあって、獅子の吼ゆるごとく法を説こう。
全ての仏に慎み仕え(仏を供養し)、あらゆる功徳のもとを積み、願いも知慧も成就して三界の優れた雄者(おさ)となろう。
師である仏のお知慧が照らし尽くさぬところがないのと同じように、願わくはわたしの功徳や知慧の力も、このたぐいなき御仏のごとくありたい。
もしこの願いが成し遂げられるなら、天地はそのために感応してうちふるい、虚空のあらゆる天人たちも妙なる花を降らすであろう。

南無阿弥陀仏

願わくはこの功徳をもって平等一切にほどこし、同じく菩提心をおこして安楽国に往生せん。

よくある質問

喪服で合掌する人

お経に関するよくある5つの質問にお答えします。

Q1. 身内の葬儀は直葬のため住職を呼びませんでしたが、お経をあげないと成仏できないのでしょうか。

A. 成仏できないという根拠はございません。ご遺族のお気持ち次第です。

お経は故人様の成仏・ご供養のためにあげられるものという認識が強いですが、本来の目的は、残された家族など生きている人が幸せになるためのものです。そのため、お経をあげられないことを過度に心配する必要はありません。お経をあげることだけでなく、故人様に感謝し、冥福を祈ることも大切なご供養です。
また、読経の慣習があるのは仏教のみです。神道やキリスト教などの場合は、お経は唱えません。

Q2. 宗派によって読んではいけないお経はありますか。

A. それぞれの宗派で重要とされる経典はありますが、唱えることを禁止されているお経はございません。

お釈迦様は説法する相手に合わせて異なるお話で教えを説いていたため、お経によっては、正反対の性質を持つものも存在するといわれています。そのため、宗派によっては読まない(読む必要がない)とされているお経はあります。例えば、浄土真宗や日蓮宗は般若心経を唱えませんが、読経を禁止する規定などはありません。

Q3. 住職に読経してもらう場合の代金について教えてください。

A. 葬儀に住職をお招きする場合の費用相場は15~50万円程度、四十九日法要などの追善法要で読経を依頼する場合は3~5万円程度といわれています。

ただし、住職へのお礼としてお渡しするもののため金額に絶対的な決まりはなく、お寺や地域によっても大きく異なります。ご不安な場合は事前に住職や周囲の方に確認されると安心です。代金は、お布施と書かれた封筒や不祝儀袋に包んでお渡しします。

Q4. 棚経とはなんですか。

A. 「棚経(たなぎょう)」とは、住職が盆棚(精霊棚)にお経をあげる盆法要のことです。

お盆にこちらの世界に帰ってくるご先祖様の供養のため、住職が檀家の家を一件一件訪ねて回りお経をあげます。特に初盆(新盆)の場合に執り行われることが多いです。浄土真宗では行いません。

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Q5. ペット供養のためにお経をあげたいと思いますが、どのお経がいいでしょうか。

A. ペット専用のお経はありませんが、馬頭観音の真言などがよく読まれるようです。

馬頭観音(ばとうかんのん)は、畜生道に落ちた人々を救済する菩薩です。また、牛馬を始めとしたあらゆる動物の守護仏ともされています。そのため、ペット供養の際は馬頭観音の真言が唱えられることが多いようです。

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