ご本尊とは?なぜお仏壇に必要?
お仏壇に祀られている「ご本尊」に手を合わせることは、古くから日本に根付いてきた文化です。現代では、住宅形式の変化や核家族化が進み、お仏壇自体を持たないという家庭も増えてきていますが、お仏壇やご本尊は古代から現代まで大切に祀られてきました。
ここでは、ご本尊とは何か、また、お仏壇やご本尊が果たす役割や必要性について、具体的に解説します。
ご本尊とは
「ご本尊(ほんぞん)」とは、最も大切な信仰の対象として仏教寺院やお仏壇に祀られている「お仏像」や「掛軸」などのことです。
他にも、仏様の働きを文字で表した「名号(みょうごう)」や、「曼荼羅(まんだら)」といった絵図も、ご本尊として信仰の対象とされてきました。
宗派ごとに一番理想とされる仏様や教義が異なるため、宗派によってお祀りするご本尊の種類が異なります。お仏壇にお祀りする本尊については、基本的に菩提寺の宗派に合わせてお仏像・掛軸を選びます。
ご本尊の役割・必要性
現代では、仏教に対して厚い信仰心を持つ方は減少してきています。先祖供養のためにお位牌は飾っても、ご本尊はいらないと考える方も少なくはないのではないでしょうか。お仏壇において、ご本尊には具体的にどのような役割があるのでしょうか。
ここでは、ご本尊が果たす役割と必要性について、主に4点解説します。
1. 信仰の中心として欠かせない存在であるから
そもそもお仏壇とは、仏教寺院(内陣)をミニチュア化し、一般家庭にご本尊をお祀りできるようにしたものです。
信仰の中心であるご本尊が寺院に欠かせないのと同様に、寺院をミニチュア化したお仏壇を安置する上でも、ご本尊は最も重要な存在です。
お仏壇はご本尊やご先祖様をお祀りする大切な場所ですが、お仏壇自体には魂は宿らないとされています。(寺院によってはお仏壇にも魂が宿るとされるなど見解が異なります。)
そのため、絶対的な決まりではないものの、新たにお仏壇をご準備される際は、手を合わせる対象となるご本尊も同時にお迎えすることが一般的です。
ご本尊は不要とお考えの方でも、菩提寺がある場合は、一度住職に確認されることをおすすめします。
■お仏壇の基礎知識について詳しくはこちら
お仏壇とはなんのためにあるのか、意味と役割・必要性を解説します。お仏壇が置けない場合の対処法も紹介しています。
2. 亡くなられた方が成仏する手助けをしてくださるから
仏教では、亡くなられた方は極楽浄土へ往生するため、三十三回忌(弔い上げ)まで修行を続けるとされています。※浄土真宗を除きます。
その際、亡くなられた方を見守っていてくださる存在がご本尊です。また、残された家族がご本尊に手を合わせ、善行を積むことで、亡くなられた方が成仏するための手助けになります。(「追善供養(ついぜんくよう)」といいます。)
◆追善法要を見守ってくださる「十三仏(じゅうさんぶつ)」
各宗派のご本尊だけでなく、初七日から三十三回忌までの追善法要では、「十三仏」という13人の仏様がそれぞれの役割に応じて故人様を守ってくださいます。法事やお盆・お彼岸には「十三仏」の掛軸を飾ることをおすすめします。(浄土真宗と日蓮宗は飾りません。)
■十三仏について詳しくはこちら
法要や仏教行事でお飾りする十三仏について、意味・仏様について・宗派による違いなどを解説。
3. 日々の生活を見守ってくださるから
ご本尊は生きている人々の暮らしも見守ってくださいます。大いなる存在に見守っていただくことで、安心感を得ることができます。また、ご本尊に手を合わせることで、その善行は亡くなられた方のためになるだけでなく、回りまわって自身にも返ってくるといわれています。
4. 感謝の心が芽生え、心を豊かにしてくださるから
ご本尊やご先祖様のお位牌に手を合わせることで、代々続く命の繋がりや家族の大切さなど、目に見えない繋がりに感謝する気持ちが芽生え、心を豊かにしてくれます。
【宗派別】ご本尊・脇侍の種類一覧
仏教はインドで生まれましたが、当初は宗派に分かれておらず、ひとつの教えでした。仏教が中国や日本に伝来する過程で教義の異なる様々な宗派に分かれていき、その結果、信仰対象となるご本尊も宗派によって別々のものになっていきました。
ここでは、本尊と脇侍の種類を代表的な宗派別に紹介し、お仏像のポーズが表す意味についても解説します。
※宗派名をクリックすると、各宗派の項目に移動します。
ご本尊と脇侍
お仏壇にはご本尊だけでなく、ご本尊の両脇に「脇侍(わきじ)」を一緒にお祀りするのが正式な作法です。(「脇仏(わきぶつ)」「脇掛(わきがけ)」ともいいます。)
脇侍とは、各宗派の開祖や、各宗派に関わりの深い仏様・僧侶の掛軸のことです。ご本尊と同様、宗派によって種類が異なりますので、宗派に適したものを選ぶ必要があります。
近年はお仏壇の小型化により、スペースの関係上省略されることもありますが、より丁寧にお祀りしたい場合は脇侍もご準備されることをおすすめします。
天台宗
【ご本尊】
阿弥陀如来(あみだにょらい)…座弥陀(ざみだ)
西方にある極楽浄土に導いてくださる仏様です。天台宗では、蓮華座(台座)に座った阿弥陀如来(座弥陀)をお祀りします。
【脇仏】
(左)伝教大師(でんぎょうだいし)
日本に天台宗を伝えた宗祖(別名:最澄)です。
(右)智者大師(ちしゃだいし)
中国天台宗の高祖です。
座弥陀の手の形について
座弥陀の手の形は「上品上生印(じょうぼんじょうしょういん)」といい、悟りの段階が高いことを表しています。
真言宗
【ご本尊】
大日如来(だいにちにょらい)
真言密教で、宇宙の中心・宇宙そのものと考えられています。大日如来の放つ智慧の光は太陽より強く、人々を救うため世界の隅々まで照らします。
【脇仏】
(左)不動明王(ふどうみょうおう)
大日如来の使者として働く仏様です。怒ったような表情なのは、仏教の教えに背く人を力ずくでも導くためといわれています。
(左)興教大師(こうぎょうだいし) (智山派)
真言宗中興の祖です。
(右)弘法大師(こうぼうだいし)
真言宗の開祖(別名:空海)です。
大日如来の手の形について
大日如来の手の形は「智拳印(ちけんいん)」といい、「衆生(人間をはじめとする命あるもの)」を表す左手を、「仏」を表す右手で包み込むことで、大日如来の揺らぐことのない最高の智慧が衆生を包み込むことを表しています。
浄土宗
【ご本尊】
阿弥陀如来(あみだにょらい)…舟立弥陀(ふなたちみだ・ふなたてみだ)
西方にある極楽浄土に導いてくださる仏様です。浄土宗でお祀りするのは、ご本尊の背後に舟形の装飾がついた阿弥陀如来(舟立弥陀)です。
【脇仏】
(左)法然上人(ほうねんしょうにん)
浄土宗の開祖です。
(右)善導大師(ぜんどうだいし)
浄土宗のもとになる教えを説いた中国の僧です。
曹洞宗
【ご本尊】
釈迦如来(しゃかにょらい)… 座釈迦(ざしゃか)
悟りの境地に到達した仏教の開祖です。王子という地位や財産など一切のものを捨て、衣一枚で出家したといわれています。曹洞宗・臨済宗をはじめとする「禅宗」は、蓮華座(台座)に座った「座釈迦」をお祀りします。
【脇仏】
(左)常済大師(じょうさいだいし)
総持寺を開いた太祖(別名:瑩山)です。
(右)承陽大師(しょうようだいし)
永平寺を開いた高祖(別名:道元)です。
臨済宗
【ご本尊】
釈迦如来(しゃかにょらい)…座釈迦(ざしゃか)
悟りの境地に到達した仏教の開祖です。
【脇仏】
(左)普賢菩薩(ふげんぼさつ)
理知と慈悲をつかさどる仏様です。
(右)文殊菩薩(もんじゅぼさつ)
知恵の仏様で、「三人寄れば文殊の知恵」のことわざで有名です。
臨済宗は14の宗派に分かれており、宗派によって脇仏が異なります。左に「花園法皇(はなぞのほうおう)」や「観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)」、右に「無相大師(むそうたいし)」や「達磨大師(だるまだいし)」をお祀りすることがあります。事前に寺院へ確認されると安心です。
釈迦如来(座釈迦)の手の形について
座釈迦の手の形は、「法界定印(ほっかいじょういん・ほうかいじょういん)」といいます。坐禅時に組む手の形なので、「禅定印(ぜんじょういん)」とも呼ばれます。
衆生(人間をはじめとする命あるもの)の世界を表す左手と、仏の世界を表す右手を重ねることで、仏と衆生が一体であることを表しています。深い瞑想に入っていることを示す印です。
日蓮宗
【ご本尊】
御曼荼羅(ごまんだら・おまんだら)、三宝尊(さんぽうそん)、日蓮聖人(にちれんしょうにん)
日蓮宗で最も重要なのは「御曼荼羅」です。開祖の日蓮聖人が悟りの世界を文字に書き表したものです。
より丁寧にお祀りする場合は、御曼荼羅の掛軸の前に「三宝尊(「釈迦如来(しゃかにょらい)」「題目宝塔(だいもくほうとう)」「多宝如来(たほうにょらい)」)」と「日蓮聖人」のお仏像をお祀りします。
【脇仏】
(左)鬼子母神(きしぼじん)
安産、子育ての神です。
(右)大黒天(だいこくてん)
穀物の神、蓄財の神です。
※地域や寺院によっては脇仏を左右逆に祀る場合もあります。
浄土真宗 本願寺派(西)
【ご本尊】
阿弥陀如来(あみだにょらい)
西方にある極楽浄土に導いてくださる仏様です。浄土真宗では、阿弥陀如来を信じる心があれば、極悪非道の者を含めて全ての人が往生できると説いています。
掛軸の場合、真宗大谷派と後光の数が異なりますので選ぶ際注意が必要です。(本願寺派は上部の後光が8本です。)
【脇仏】
(左)蓮如上人(れんにょしょうにん)
真宗を広め、繁栄させた8代目の僧です。
(右)親鸞聖人(しんらんしょうにん)
浄土真宗の開祖です。
浄土真宗 真宗大谷派(東)
【ご本尊】
阿弥陀如来(あみだにょらい)
西方にある極楽浄土に導いてくださる仏様です。掛軸の場合、本願寺派と後光の数が異なりますので選ぶ際注意が必要です。(真宗大谷派は上部の後光が6本です。)
【脇仏】
(左)九字名号(くじみょうごう)
南無不可思議光如来(なむふかしぎこうにょらい)…邪念を断つ働きを表す名号です。
(右)十字名号(じゅうじみょうごう)
帰命尽十方無碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)…阿弥陀如来の徳を讃える名号です。
阿弥陀如来の手の形について
阿弥陀如来の手の形は、右手を「招喚印(しょうかんいん)」、左手を「摂取不捨印(せっしゅふしゃいん)」といいます。
招喚印は仏法を聞きなさいと仏が衆生を招くことを表し、摂取不捨印は、いかなる悪人も必ず救いますという仏の誓願を表しています。
仏像と掛軸、どちらを選ぶ?魂入れは必要?
お仏壇に祀るご本尊には、大きく分けて「仏像」と「掛軸」の2種類が存在しますが、選ぶときに決まりはあるのでしょうか。
ここでは、ご本尊の選び方とお仏像の材質、ご本尊への魂入れについて詳しく解説します。
本尊の形式(仏像・掛軸)について
ご本尊のお仏像と掛軸は、ご本尊としての役割に変わりはないため、どちらをお選びになっても問題ありません。
ただし、浄土真宗本願寺派・真宗大谷派では、菩提寺を通じてご本尊の掛軸を本山からお迎えすることを推奨しています。西本願寺派では「法物(ほうもつ)」、真宗大谷派では「授与仏(じゅよぶつ)」とよばれています。
■お仏壇の掛軸について詳しくはこちら
掛軸を飾る意味や宗派ごとの種類を解説し、お仏壇への掛け方やお手入れ、魂入れや魂抜きといった供養と処分方法なども解説します。
近年人気の「スタンド掛軸」
近年では、小さなお仏壇やモダンなデザインのお仏壇に合わせた「スタンド掛軸」も人気を博しています。専用の木枠に、ご本尊や脇侍が描かれたスタンド紙を入れ込んでお祀りします。
【各宗派のスタンド掛軸はこちら】
お仏像の材質
はせがわで取り扱っているご本尊のお仏像は、主に下記の木材を使って作られています。使われている木材の種類によって、価格が変動します。
◆お仏像に使用される主な木材
-
白木(ヒバ)
柔らかく彫刻しやすい木材で、広く市場に出ています。他の木材と比較し安価です。 -
栢(カヤ)
碁盤や将棋盤にも用いられる頑丈な木材です。柘植(ツゲ)より木目が出づらく安価なため、多く出回るようになった木材です。 -
柘植(ツゲ)
白檀と同様に木肌が美しく、触るとすべすべしています。年数の経過とともに光沢が増し、良い風合いに変化していきます。より一層仏様のお姿に近付けるため、ガラスの眼が入っているものや、鮮やかな彩色を施しているお仏像もあります。 -
白檀(びゃくだん)
木肌やツヤが美しく、良い香りがすることから、お仏像として最高峰の木材といわれています。
白檀はほのかに甘さを含む優しい香りで、お線香の香料にも使用されます。仏様にとって香りはご馳走になる(「香喰(こうじき)」)といわれているため、ご供養に最適です。希少な木材ですが、はせがわの白檀仏像は、目に見えない内部にも全て白檀を使用している無垢製です。
ご本尊には「魂入れ」が必要
ご本尊を新しく購入された場合、「開眼供養(かいげんくよう)」が必要です。開眼供養とは、別名「魂入れ(たましいいれ)」「お性根入れ(おしょうねいれ)」とも呼ばれ、住職の読経により物に魂を宿す法要のことです。
開眼供養を実施することで「ただの物」であったご本尊に魂が宿り、「手を合わせるべき信仰の対象」に変化します。
浄土真宗の場合、亡くなった方はすぐに極楽浄土に往生するため、「霊」や「魂」といった概念がありません。そのため、浄土真宗ではご本尊をお迎えする法要として「入仏式(にゅうぶつしき)」や「御移徙(おわたまし・ごいし)」を執り行います。
ご本尊の魂入れはいつするべき?
魂入れ・開眼供養のタイミングですが、家族を亡くし四十九日法要が控えている場合は、四十九日法要で住職に読経していただくケースが一般的です。事前に依頼し、お布施を準備しておきましょう。
ご本尊の魂入れの時期に決まりはありませんので、前後しても問題はありません。
ご本尊を飾る位置とサイズの選び方
ご本尊はお仏壇の要(かなめ)ともいえる存在です。ご本尊を選ぶ際は、お祀りする位置を正しく理解し、お仏壇の大きさを考慮してサイズを決める必要があります。
ここでは、ご本尊の位置・置き方と、お仏壇に適したご本尊のサイズ・選び方について解説します。
ご本尊はお仏壇のどこに置く?
ご本尊は、お仏壇において最も大切な信仰対象です。そのため、お仏壇の中心にある「須弥壇(しゅみだん)」の上(お仏壇の中央最上段)に敬意を込めてお祀りします。掛軸の場合は、掛軸台(吊り台)や押しピンを使用して飾ります。お仏壇本体に掛軸を掛けるための金具が付いている場合は、そのままお使いいただいて問題ありません。
ご本尊のサイズと選び方
ご本尊は、お仏像と掛軸でサイズ表記の仕方が異なります。
お仏壇中央にある須弥壇の上段(ご本尊をお祀りする位置)から天井までの高さを確認し、お仏壇のサイズに合わせたご本尊を選びましょう。
お仏像のサイズ表記について
お仏像ご本体の「白毫(びゃくごう…眉間に光る毛)」から「おみ足」までの高さを尺寸表記で表しています。(1寸=約3.03cm)
同じ尺寸表記でも、ご本尊の背後についている装飾や台座の高さによって総丈が変わりますので注意が必要です。必ず総丈を確認しましょう。
掛軸のサイズ表記について
「代」という単位が用いられています。お仏壇用の掛軸のサイズは10代~50代程度が目安です。数字が大きくなるほど、掛軸の総丈も大きくなります。
同じ「代」でもメーカーによって大きさが異なりますので、大きさの目安とし、実際の大きさを確認されることをおすすめします。
お仏壇の種類別・ご本尊のサイズ目安
【上置き仏壇の場合】
-
お仏像
(座像の場合) 2.0寸
(立像の場合) 3.5寸
-
掛軸
10代~20代
【床置き仏壇の場合】
-
お仏像
(座像の場合) 2.5寸
(立像の場合) 4.0寸~4.5寸
-
掛軸
30代~50代
※上記はあくまで目安です。お仏壇によってご本尊をお祀りするスペースには大きく差があるため、須弥壇上部から天井までの高さとご本尊の総丈を比べてお選びになることをおすすめします。
ご本尊選びでお悩みの場合は、お近くのはせがわまでお気軽にご相談ください。お客様のご宗派やお仏壇に合わせた適切なご本尊をご提案いたします。
よくある質問
ご本尊に関するよくある5つの質問に回答します。
Q1. お仏壇に飾るご本尊の価格について、相場を教えてください。
A. ご本尊の価格は、ご本尊の形式(仏像・掛軸など)や使われている素材、制作技法、制作者などによって相場が大きく異なります。
お仏像の場合、数万円から数十万円が目安ですが、有名仏師の彫刻仏像などは数百万円することもあります。
掛軸の場合、数千円~数万円程度が目安です。素材に絹が使われていたり、手書きやシルクスクリーンなど手間の掛かる技法で作られていたりする場合、価格が高くなる傾向があります。
Q2. 無宗派の場合、本尊は不要ですか。
A. 無宗派の場合、ご本尊をお祀りする必要はありません。ですが、自身でご本尊を決め、お祀りすることもできます。
無宗派や菩提寺がない方の場合、ご本尊は必須ではありません。ですが、亡くなられた方やご先祖様のご供養のため、また、日々の暮らしを見守っていただき心豊かに過ごすため、ご本尊をお祀りする選択肢もあります。
ご本尊をお祀りする場合は、葬儀で読経してもらったお寺の宗派に合わせて準備されるケースが多くみられます。
ご本尊を自身で選ぶ場合、仏教の開祖である釈迦如来を選ばれる方が多いです。
Q3. ご本尊には特別なお供え物が必要ですか。
A. 特別なお供え物は必要ありません。お仏壇には日頃から「五供(ごく)」を基本としてお供えしましょう。
「五供」とは、「香・灯明(とうみょう)・花・飲食(おんじき)・浄水(じょうすい)」のことで、それぞれ「お線香、ローソクの火、仏花、ご飯などの食べ物、水・お茶」を表しています。
浄土真宗の場合は、ご本尊の手前に仏飯器(ご飯)と樒(しきみ)をお供えします。水やお茶は不要です。
■お仏壇のお供え物について詳しくはこちら
お供え物の定番である「五供(ごく)」を中心に、基本的なお供え物や供え方、供えてはいけないものなどを具体的に解説しています。
Q4. 大日如来の「光背(こうはい)」は3種類ありますが、選び方に決まりはありますか。
A. ご本尊の種類が宗派に適していれば、光背の選び方に決まりはありません。お好みの形をお選びください。
光背とは、ご本尊の背後についている装飾のことで、ご本尊から放たれる神々しい光を表しています。
大日如来の光背の形は大きく分けて、
- 「飛天光背(舞い踊る天女が彫刻されている光背)」
- 「火炎光背(炎がかたどられた光背)」
- 「丸光背(丸い形をした光背)」
また、宗派によっては「舟形光背」や「唐草光背」、「放射光背」など他にも光背の形に種類がありますが、宗派に合ったご本尊であれば、基本的にお好みでお選びいただき問題ございません。
Q5. ご本尊の処分方法を教えてください。
A. お仏壇じまい(お仏壇の処分)などによりご本尊が不要となった場合、処分前に「閉眼供養(へいがんくよう)」が必要です。そのまま処分してしまわないよう、注意しましょう。
「閉眼供養」とは、別名「魂抜き(たましいぬき)」ともいい、魂の宿った仏具などを普通の物へと戻す法要の事です。
※浄土真宗の場合、「遷座法要(せんざほうよう)」または「遷仏法要(せんぶつほうよう)」と呼ばれる儀式を行います。
閉眼供養・遷座法要が済んだご本尊は、寺院にお焚き上げしていただくか、はせがわにて有料で回収・処分(ご供養)が可能です。詳しくはお近くのはせがわ店舗にお問い合わせください。
■お仏壇・お仏具の処分について詳しくはこちら
お仏壇の処分方法4選と、それぞれの費用をあわせて解説します。はせがわによる仏具のお引き取りについても説明しています。