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お位牌は処分してもいい?タイミングと方法から閉眼供養までを説明

お位牌は処分してもいい?タイミングと方法から閉眼供養までを説明
お位牌を処分をすることは基本的にはありません。しかし買い替える・不要になるなどの理由で処分されることもあります。このページでは、どのような場合に処分などをおこなうのか、どこでできるのかを説明します。

お位牌は処分してもいい?

お位牌は処分してもいい?

お位牌は、ご先祖様や故人様の霊がそこに宿る依代(よりしろ)と考えれれています。写真には魂は宿りませんので、お位牌のもつ意味合いはとても重要であり、大切な存在です。
一般的にお位牌を処分(捨てる)ことはないものです。しかしながら「壊れたので新しく作り直したい」「一通りの供養(三十三回忌など)が終わったので先祖位牌にまとめる」「数が多く仏壇にはいりきらない」などの場合には、処分をすることがあります。

お位牌の単位(数え方)は「柱(はしら)」になります。一柱、二柱…と数えます。

処分するタイミングはいつ?

処分するタイミングはいつ?

多いことではありませんが、お位牌の処分はあります。ではどのようなタイミングであるのでしょうか?ここでは状況をお位牌の種類で説明をします。

白木位牌(しらきいはい)の場合

白木位牌の場合


亡くなった後すぐに製作され、枕飾りおよび葬儀を含む四十九日法要まで用いる約30cmほどの白木の簡素なお位牌のことです。内位牌ともいわれます。
四十九日法要をもって本位牌にかわりますので、白木位牌は不要になります。法要の後にお寺の方で処分することが一般的です。

夫婦位牌(めおといはい)にする場合

夫婦位牌にする場合

一柱のお位牌に夫婦2人の名を入れます。後から1人用のお位牌から連名のお位牌に作り替える方法です。最初にお参りしていた1人用のお位牌が不要になります。タイミングとしては四十九日法要で変更する傾向にあります。

最初から連名用として片側をあけて作成することできます。中には亡くなるのを待っているように感じる方もいます。またご長寿の場合は、片側をあけた状態が長くなり加工が難しくなるケースもあります。

数が多くなり、収まらない場合

お仏壇の内部のスペースは限られています。ご先祖様は時とともに増えますので、お位牌も増えていくことになります。このように増えてお仏壇に入りきらない場合に、繰出位牌や過去帳にかえることがあります。文字はお寺で記入する場合もありますので購入の前に確認をする必要があります。指定がない場合は仏壇仏具店でも文字入れができます。

繰出位牌(くりだしいはい)

繰出位牌



回出位牌とも表現されます。黒檀や金箔をあしらったものなど多くのデザインがあります。
上のふたを外すと中に板が複数枚入っており、一番正面の板に「〇〇家先祖代々(之霊位)」と文字を入れ、その他の板に戒名(法名)・命日・年齢を入れます。ご命日の日には、該当する仏様の板を一番前に繰出して法要を営みます。

過去帳(かこちょう)

過去帳

お位牌を用いない宗派の場合に使用されることが多く、主に浄土真宗で使用されます。またご先祖様のお位牌が多い方が、まとめる際にも使用されます。
表紙が絹貼りのタイプ・表紙が漆塗りのタイプなどさまざまです。
祀る際には「過去帳見台」があると便利です。
神道でも過去帳にあたるものがあり、「霊簿(れいぼ・りょうぼ)」とよばれています。

傷んだ・壊れた場合

どれだけ大切にご供養していた場合でも、時間の経過でお位牌が壊れた・傷が多くなった・ボロボロになったなどがあります。これからもお参りが難しい場合は、お位牌の作り替えをするのもよろしいでしょう。

引越しやお仏壇のお買替えの場合

引越しやお仏壇のお買替えの場合

リフォームや引越し、世代交代のタイミングでお仏壇とあわせてお位牌も作り替えることが多くあります。お仏壇を替えると今までのお位牌やご本尊のサイズが難しいといった理由になります。またお部屋にあわせて伝統的よりもモダンなイメージにしたいという考え方もあります。

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遺品整理の場合

お悔み後の遺品など整理するなかで、どうしてもお位牌・お仏壇を継承することができない場合は処分ということになります。
他のお仏具と違い、故人様の依代と考えられているお位牌です。大切なご先祖様になりますので可能な限り受け継ぐことをおすすめいたします。

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弔い上げ(とむらいあげ)

一定の年月を過ぎると、亡くなった人の霊は個性を薄れさせて祖霊となってご先祖様と融合し一体となると考えられています。その時、「お位牌の祭祀」は終了します。三十三回忌、五十回忌などを最終回忌として弔い上げ、祀り上げとすることが一般的です。
先祖代々という一柱のお位牌にまとめる場合は、弔い上げ後には個々のお位牌が不要ということになります。

どこに依頼する?

どこに依頼する?

お位牌の処分を依頼する場所はいくつかあります。一番多くおこなわれるのは、お寺(菩提寺)・神社(神道の場合)になります。法要と一緒にすることが多いためです。また費用はお位牌の数によってもかわる可能性がありますので事前に相談・確認をしましょう。
※閉眼供養をしてからの処分が一般的です。

お位牌の作成に関してはお寺・神社・遺品整理業者ではおこなってない場合があります。作り替えの際には処分と開眼供養を同時におこなうのが一般的になります。事前に仏壇仏具店・葬儀社などで作成依頼をしておく必要があります。
お位牌について詳しくはこちら>>

菩提寺

お寺にておこなう、または僧侶を自宅に招く方法です。四十九日などの法要とあわせて閉眼供養をおこない、不要になったお位牌はお寺にて処分(お焚き上げ)いただけることが大半です。費用はお布施としてお渡しします。値段を示していることもありますが、不明な場合は質問をしても失礼になりません。
菩提寺がある場合は法要の日程などとあわせて相談しましょう。菩提寺がない場合は同じ宗派のお寺に相談をされるのがよろしいでしょう。

【費用相場 10,000円~100,000円ほど】

お布施は「御布施」と書かれた不祝儀袋などにいれます。渡す際には袱紗(ふくさ)の上、または名刺盆(切手盆)の上でおこなうと丁寧です。
袱紗(ふくさ) はこちら>>

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神社

神社にておこなう、または神主を自宅に招く方法です。五十日祭などの儀礼とあわせてお祓いをおこない、不要になった霊璽(れいじ)は神社にて処分いただけることが大半です。費用は玉串料(たまぐし料)としてお渡しします。値段を示していることもありますが、不明な場合は質問をしても失礼になりません。

【費用相場 10,000円~100,000円ほど】

霊璽(れいじ)とは?

白木でできた御霊(みたま)の依り代で、仏教のお位牌にあたるものです。御霊代(みたましろ)と呼ばれることもあります。

仏壇仏具店・葬儀社

仏壇仏具店・葬儀社でも処分をおこなっている場合があります。その場合は閉眼供養といった宗教儀礼はおこなっていない場合が大半です。事前に確認をし、お寺などに閉眼供養(へいげんくよう)を別途依頼する必要があります。そのため費用の相場目安も処分費用のみの金額になります。

【費用相場 10,000円~30,000円ほど】

遺品整理整理業者

家財道具などと一緒に処分ができます。しかし仏壇仏具店など同様に閉眼供養といった宗教儀礼はおこなっていない場合が大半です。事前に確認をし、お寺などに閉眼供養を別途依頼する必要があります。そのため費用の目安も処分費用のみの金額になります。

【費用相場 5,000円~10,000円ほど】

閉眼供養(へいげんくよう)ってなに?

閉眼供養ってなに?

そもそもの流れとして礼拝物(お仏像・お位牌・お仏壇・お墓など)を用意(購入)した際には「開眼供養(かいげんくよう)」を僧侶に依頼しおこないます。「魂入れ」「お性根入れ」ともいいます。ただの物から、手を合わせる対象にする意味合いがあります。

「閉眼供養(へいげんくよう)」は逆に、手を合わせる対象でなくなることになります。「魂抜き」「お性根抜き」ともいいます。
※閉眼供養を終えれば、モノということになりますが、今までご先祖様として手をあわせてきたお位牌ですので、燃えるゴミとして処分されることはあまりありません。大切に処分してもらえる場所を選びましょう。

浄土真宗は違う?

「遷座法要(せんざほうよう)」と浄土真宗ではいいます。置かれていた場所(遷座)をかえることです。「遷仏法要」ともいいます。

お位牌の永代供養と預かり

お位牌の永代供養と預かり

処分する以外にも自宅に安置しないお位牌の供養方法はあります。ここでは永代供養と預かりについて説明します。

お位牌の永代供養

永代供養はお寺や霊園にて実施している場合があります。自宅にお位牌を安置することが難しい場合、遠方に住んでいる場所、今後まもっていく方がいない時に選ばれている傾向があります。
また当初はお位牌を作らない予定の方で、後から作ってあげたいと思われた際に永代供養を利用される場合もあります。お墓(遺骨)の永代供養とあわせて検討されています。
永代と表現していますが、一定の年数(13年・33年など)管理・供養され、その後はお焚き上げになります。年数で終了する場合と、年数を更新できる場合もあります。
お参りにいける施設もあれば、お参りができない施設もありますので、事前に確認のうえで申込が必要です。

【費用相場 100,000円~500,000円ほど】

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お位牌の預かり

一定期間の保管を依頼し、その後はまた自宅で供養することです。
長期の旅行や、家の建て替え(リフォーム)の間に依頼することが多いようです。
お寺などが対象ですが実施しているかは確認になり、費用も期間によりかわります。

【費用相場 10,000円~30,000円ほど】

よくある質問 (Q&A)

よくある質問(Q&A)

最後に、お位牌の処分やまとめることに関してよくお寄せいただくご質問をピックアップしてご紹介いたします。ご不安がある場合は事前に解決しておき、心を落ち着けて故人様へのご供養に集中できる環境を作っておきましょう。

Q.1 両親の位牌が1つずつあり、仏壇が小さいので困っています。

A. ご両親のお位牌をまとめる方法としては、「繰出位牌」もしくは「夫婦位牌」のどちらかにまとめるのが一般的です。

  • 夫婦位牌」にまとめる場合…1柱の板位牌に夫婦のご戒名やご俗名などを並べて書く形。
  • 繰出位牌」にまとめる場合…繰出位牌を新しく購入し、2枚の札にそれぞれご戒名などを書き写したものを重ねて箱状の本体に納める形。

Q.2 浄土真宗は位牌を持たない宗派と聞きました。位牌が1つと先祖代々の繰出位牌があります。過去帳にまとめてもよいでしょうか?

A. 過去帳にまとめることは可能ですが、地域や菩提寺のお考えによっては浄土真宗であってもお位牌を作成する場合もあります。まとめる前に菩提寺へご相談された方がよいでしょう。

Q.3 火災で焼失した位牌を作り直したいです。供養になりますか?

A. 感謝を形で表すという意味で、最もご供養になるかと存じますので、ぜひ作ってさしあげてください。ご先祖様も安堵され、やすらかにお見守りいただけると思います。

Q4. ネットで繰出位牌は「前面に見える板しかご供養できないからよくない」というコメントも見かけました。どうなのでしょうか?

また繰出位牌を選んだ場合、新しく亡くなった方の位牌は別に用意すべきなのか、それとも最初から繰出位牌にするのでしょうか?

A. 見えている板は手前の1枚であっても、ご供養のお気持ちがあれば表面や前面に出ていなくとも問題ございません。
新しく亡くなった方のお位牌は別に用意すべきなのかについても、絶対的な決まりはありません。お寺に相談いただくとよいでしょう。

Q5. お位牌を落として傷が付いてしまったのですが、修理に出して問題ないでしょうか?

A. 今後も長い間お祀りしていくことを考えると、綺麗な状態でお祀りして差し上げた方が故人様のご供養にもなるでしょう。早めに修理にお出しいただく方がよいでしょう。

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