盆提灯とは?基本を徹底解説|飾る意味・種類と相場・贈答マナー

盆提灯とは?基本を徹底解説|飾る意味・種類と相場・贈答マナー

盆提灯とは、お盆の期間に自宅へ帰ってくる故人様のために、お仏壇周りや盆棚(精霊棚)の上に飾る提灯のことです。
このページでは、初めてお盆提灯を購入する方に向けて、お盆提灯を飾る意味や種類、相場、実際の飾り方などお盆提灯に関する基本を徹底解説いたします。また、盆提灯を贈る際の基本マナーもあわせてご紹介します。

盆提灯はどうして必要なの?飾る意味とは?

並んで飾られている盆提灯

お盆には提灯を飾るもの、ということは何となく知ってはいても、いざ自分で用意するとなると「盆提灯を飾る意味って何?」「そもそも絶対に必要なの?」といった疑問が出てくる方も多いのではないでしょうか。

まず初めに、盆提灯の歴史や飾る意味など、盆提灯とは何かを簡潔に解説いたします。

お盆の意味と、2022年の具体的な日程

  • 盂蘭盆会(うらぼんえ)…元々は7月15日(または8月15日)に行なわれる夏の御霊祭(みたままつり)のこと。

お盆とは、ご先祖様や身近に亡くなったご家族など、あの世に旅立たれた方をこの世(ご自宅)へお迎えして、日頃の感謝の気持ちを込めてご供養するための行事です。
日本古来からあったご先祖様に感謝する習慣(先祖祭りなど)が、中国から伝来した仏教に基づいた「盂蘭盆会(うらぼんえ)」の風習と合わさったことで、最終的に日本独自のお盆が生まれました。
お盆の期間中は、お迎えとお見送りの際に「迎え火」・「送り火」と呼ばれる火を焚いてご先祖様方の道しるべを作ったり、盆提灯や盆飾りをお飾りしたりする形でおもてなしをします。

>>お盆・迎え火送り火について詳しくはこちら

■2022年の具体的なお盆の日程

お盆は1年に一度、夏時期の4日間にわたって営まれますが、実施期間は地域によっても異なります。一般的には8月盆【8月13日~16日】の場合が多く、東京都や神奈川県などの一部地域では7月盆【7月13日~16日】で行われます。
2022年度のお盆日程は、【7月13日(水)~7月16日(土)】もしくは【8月13日(土)~8月16日(火)】です。

>>お盆の期間について詳しくはこちら

盆提灯の歴史

昔は、ご自宅に帰って来られるご先祖様にとって目印になるように、家の外に灯籠を高く掲げる風習がありました。
この風習が転じて、灯籠ではなく提灯を室内に吊り下げるようになり、そこから更に足を付けて床に置く形に変化していったとされています。

また、灯りはぜいたく品であったことから、盆提灯は仏様にとっての最上のお供えであるとも考えられておりました。
更に、仏様へのお供えの基本である「花・火・香」※のうちの「花(盆提灯の柄)」と「火(提灯の灯り)」の2つを満たしていることからも、お供えとして最適とされました。
※これを「仏の三大供養」と呼びます。

盆提灯を飾る意味・必要性

現代においても、盆提灯はご先祖様が帰って来られる際の目印であると共に、ご先祖様への感謝を込めて華やかにお迎えするためのお供え物としても欠かせないお飾りとされており、必要性が高いものと言えます。

一方、近年は住宅事情の変化もあり、ご自宅内に盆提灯を飾るスペースがなく難しいという場合も増えてきているのが現状です。
しかしその場合にも、時代の変化に合わせて盆提灯も進化しており、近年はモダンでコンパクトな新型の盆提灯も多く販売されています。盛大にお飾りするのは難しくても、ミニタイプの盆提灯をお飾りするなどの形で、できる限りのおもてなしをして差し上げるとよいでしょう。

コンパクトなタイプの盆提灯に関する詳細は、<こちら>の項目をご参照ください。

何を基準に選ぶ?盆提灯の種類を徹底解説

お仏壇周りに飾られている様々な形の盆提灯

店舗に来店される方の多くは、「自分たちで盆提灯を買うのが初めてだから、具体的にどんな基準で選んだらいいか分からない」と悩みを抱えていらっしゃいます。
ここでは、用途やデザイン、価格など、盆提灯を選ぶ際の基準を軸に、盆提灯の種類を徹底解説いたします。実際にご購入される際の参考になさってください。

用途別に選ぶ

盆提灯は、用途によって使い分けが必要です。大きく分けて、初めてのお盆である「新盆(初盆)」の時にだけ使用する新盆用提灯(白紋天)と、タイミングを問わず毎年繰り返し使える通常の盆提灯の2つに分類することができます。
以下に、用途別に盆提灯をご紹介します。

新盆用提灯(白紋天)

新盆用の白提灯(白紋天)

新盆用提灯は、初めて帰って来られる故人様の霊が迷わないように、ご自宅の目印として新盆の時にだけお飾りする盆提灯です。
「白紋天(しろもんてん)」とも呼ばれ、絵柄のない真っ白な火袋が特徴ですが、地域によっては家紋や家名を入れてお飾りする場合もあります。

玄関先(軒先)に吊り下げてお飾りする形が基本ですが、近年は住宅事情の変化から、室内の窓際(外から見える場所)などに下げる方も増えています。
また、室内の棚などに置けるように置き型(スタンド)タイプの白紋天も登場し、飾り方の幅は広がりつつあります。

>>新盆用提灯の商品ページはこちら

■初めてのお盆・「新盆(にいぼん)」とは?

故人様が亡くなられた後に初めて迎えるお盆のことを、「新盆(にいぼん)」と呼びます。地域によって呼び方に違いがあり、「新盆」を「しんぼん・あらぼん」と読んだり、「初盆(はつぼん)」という名称で呼ぶ地域もあります。
「四十九日の忌明け後」に迎える初めてのお盆を指しますので、四十九日前にお盆を迎える場合は翌年に行なう形が一般的です。

新盆は、故人様が初めてご自宅に帰って来られる一度きりの機会になることから、ご親族や知人友人の方などの大勢で、通常のお盆よりも盛大にお迎えいただくべき行事とされています。
そのため、新盆の年は「新盆法要」と呼ばれる法要を行ない、法要後は皆で会食を行なうご家庭が多く見られます。(通常のお盆でも法要を行う地域もありますが、現在は減少傾向にあります)

>>新盆(初盆)について詳しくはこちら

毎年使える盆提灯

毎年使える盆提灯(伝統調の提灯)

絵柄が入っているタイプの盆提灯は、毎年繰り返し使用することができます。

最も一般的な形は足が三本付いたタイプの置き型提灯ですが、デザイン・形状ともに様々あり、地域によっても使用する種類が異なる場合があります。
また、近年はモダンなデザインも増え、時代に合わせて変化が進んでいます。

■盆提灯はどの種類でも使い回ししていいの?

絵柄入りの盆提灯は、どんな種類でも毎年使い回ししていただき問題ありません。

一方、新盆用の白提灯は、故人様一人につき1つをお飾りするのが原則ですので、使い回しはせずに新盆が終わったら処分する形が基本です。
ただし、地域の風習やお寺の考えによっても異なることがあり、家紋入りの白紋天は使いまわす場合などもありますので、心配な場合は近所の方やお世話になっているお寺にご相談するとよいでしょう。

デザイン・サイズ別に選ぶ

一口に毎年使える盆提灯と言っても、そのデザインや形状、サイズは様々です。以下に、モダン・伝統調の盆提灯をデザイン別に一挙ご紹介いたします。

モダン・ミニデザインの盆提灯

モダン・ミニデザインの盆提灯

近年人気の、洋風のお部屋にも調和しつつ省スペースでお飾りができる、おしゃれで小さいタイプの盆提灯です。
伝統的な三本足の置き型や吊り下げるタイプの提灯とは異なり、円形などのスリムな足が付いた置き型が多く、絵柄もインテリアになじむモダンデザインが中心になっています。

モダンな提灯は、本来の伝統的な形に囚われない自由な形状が特徴的で、形ごとに決まった名称は存在しません。

以下に、モダンな盆提灯をデザイン別にご紹介します。

棚の上に置くタイプのモダンな提灯

モダンかつ小さいデザインのため、盆棚の上だけでなくタンスやチェストの上などにも置くことができます。
縦長のすっきりしたデザインのものや、コロンとしたかわいらしい丸型デザインのものがメインです。一対でも単品でもお飾りできます。

 

・縦長のすっきりタイプ

縦長すっきりタイプのモダンな上置き提灯

・かわいらしい丸型タイプ

かわいらしい丸型タイプのモダンな上置き提灯

床の上に置くタイプのモダンな盆提灯

火袋に長い脚がついたデザインのものや、火袋が筒状になっている円柱タイプのデザインがメインです。主に、お仏壇や盆棚の横に単品でお飾りします。

・長い脚がついたタイプ

長い脚がついたタイプのモダンな床置き提灯

・円柱タイプ

円柱タイプのモダンな床置き提灯

>>モダンな盆提灯の商品ページはこちら

伝統調デザインの盆提灯

伝統調デザインの盆提灯

昔ながらの伝統的なデザインの盆提灯は、床に置くタイプ、棚の上に置くタイプ、上から吊り下げるタイプの3種類に大きく分かれており、その中で更に細かく種類が分かれています。
また、その他にも、飾るためではなく実際に手で持って使用するタイプもございます。

モダンな創作提灯とは異なり、伝統調の場合はデザイン(形)ごとにそれぞれ名称が定められており、中には用途も決まっている提灯もございます。

以下に、伝統調の盆提灯をデザイン別にご紹介します。

床に置くタイプの伝統調盆提灯

床置きの伝統調提灯は、基本的にコードが付属しており、コンセントに差し込んで使うタイプのものが一般的です。

・大内行灯(おおうちあんどん)

大内行灯(おおうちあんどん)

「行灯(あんどん)」とも呼ばれる、三本足がついた最も一般的な形の盆提灯です。
>>大内行灯はこちら

・回転行灯

回転行灯

絵柄入りの回転筒が付いており、電源をつけると火袋の中で筒が回転してお部屋を華やかに彩ります。
>>回転行灯はこちら

・対行灯(ついあんどん)

対行灯(ついあんどん)

左右の絵柄が対になっているタイプの提灯です。
>>対行灯はこちら

・姫行灯

姫提灯

大内行灯と同様の作りですが、一回り小さいタイプの盆提灯です。
>>姫行灯はこちら

棚の上に置くタイプの伝統調盆提灯

上置きの伝統調提灯は、後ろにコードが付いておりコンセントに差し込む必要があるタイプと、電池式(コードレスタイプ)の両方があります。

・霊前灯(れいぜんとう)

霊前灯(れいぜんとう)

盆棚などの棚の上に置く、小型の置き型盆提灯です。
お位牌を明るく照らして差し上げるための意味があり、主にお位牌の左右にお飾りする形が一般的です。

中にはお花を象ったデザインの提灯もあり、夏時期でなかなか生のお花をお供えするのが難しい場合にもおすすめです。

>>霊前灯はこちら

上から吊り下げるタイプの伝統調盆提灯

吊り下げの伝統調提灯は、中にローソク立てが付いており、ローソクを模した電池灯を入れて使用するコードレスタイプが一般的です。

・御所提灯
(ごしょちょうちん)

御所提灯 (ごしょちょうちん)

上から吊り下げて飾る、壺型の盆提灯です。
>>御所提灯はこちら

・住吉提灯
(すみよしちょうちん)

住吉提灯 (すみよしちょうちん)

主に九州や北関東で使用される、地域性のある吊り下げ提灯です。
>>住吉提灯はこちら

・博多長
(はかたなが)

博多長 (はかたなが)

主に九州地方で使用される、地域性のある吊り下げ提灯です。家紋と戒名を入れてお飾りする形が一般的です。
>>博多長はこちら

・門提灯
(かどちょうちん)

門提灯 (かどちょうちん)

帰ってくる際の目印として飾る盆提灯です。家紋を入れてお飾りする形が一般的です。
>>門提灯はこちら

・御殿丸提灯
(ごてんまるちょうちん)

御殿丸提灯(ごてんまるちょうちん)

火袋が球形になっているタイプの盆提灯です。家紋を入れてお飾りする形が一般的です。
>>御殿丸提灯はこちら

・浄土真宗切子
(じょうどしんしゅうきりこ)

浄土真宗切子 (じょうどしんしゅうきりこ)

浄土真宗では提灯は不要である場合が多いですが、地域によっては浄土真宗用の提灯(灯籠)を使用します。
>>浄土真宗切子はこちら

  • 浄土真宗の場合は、盆提灯やお盆飾りは使用しない形が基本

浄土真宗では、亡くなられた方の魂はすぐに成仏して仏様になるとされており、他の宗派のようにお盆にご先祖様が帰ってくるという考え方はしないため、盆提灯やお盆飾りも不要とされています。
ただし、地域の風習やお寺の考えなどによっては、浄土真宗でも提灯を飾る場合があります。気になる方は、お世話になっているお寺などにご確認いただくと安心です。

【番外編】手に持って使用するタイプ

・お迎え盆提灯

伝統的な家紋入りのお迎え盆提灯
伝統調デザイン
モダンデザインのお迎え盆提灯
モダンデザイン

一部の地域では、ご先祖様の送り迎えをする際に、「お迎え盆提灯」や「迎え提灯」と呼ばれる盆提灯を使用することがあります。
伝統的な白地に家紋入りのデザインを始めとして、近年は、小さなお子様が安全に持てるように作られた、LED電球付きのモダンなデザインのものも増えています。

一般的には、お盆の迎えの日(初日)と送りの日(最終日)に、火を点けたローソクをこの中に立ててお墓と家を行き来する形で使用します。
なお、近年は安全性に配慮して、ローソク型の電池灯を中に入れて使うケースも増えています。
>>お迎え盆提灯はこちら

  • お盆に帰って来られるご先祖様のために焚く火を、「迎え火」・「送り火」と呼ぶ

お盆の初日(13日)には目印として迎え火を焚き、最終日(16日)にはお見送りとして送り火を焚きます。「ホーロク」という素焼きのお皿に「おがら」という麻の茎を乗せて火をつける形が一般的ですが、地域性によって焚き方や使用する道具が変わります。

>>迎え火・送り火について詳しくはこちら

火袋の絵柄別に選ぶ

盆提灯の形状やサイズ以外に、火袋の絵柄を基準として提灯を選ばれる方もいらっしゃいます。その際は、故人様が生前お好きだった花や色味、故人様のイメージに合わせて選ぶ形が一般的です。
以下に、提灯の絵柄の一例をご紹介します。

伝統的な花・草木(風景)の絵柄
藤の絵柄の火袋
桜の絵柄の火袋
菊の絵柄の火袋
桔梗の絵柄の火袋
桔梗
芙蓉の絵柄の火袋
芙蓉
胡蝶蘭の絵柄の火袋
胡蝶蘭
三重塔の絵柄の火袋
三重塔
山水の絵柄の火袋
山水
オーダーメイドの柄
家紋の絵柄の火袋
家紋
戒名の絵柄の火袋
戒名
日本の伝統デザインを使用した絵柄
青海波の絵柄の火袋
青海波(せいがいは)
藍切子の絵柄の火袋
藍切子(あいきりこ)
現代的な花などを使用した絵柄
金魚の絵柄の火袋
金魚
クローバーの絵柄の火袋
クローバー
ミモザの絵柄の火袋
ミモザ
紅葉の絵柄の火袋
紅葉

※上記は一例となりますので、その他にも様々な絵柄がございます。

価格別に選ぶ

盆提灯の価格は、3,000円~1万円以内とお手頃な価格から、中には10万円以上と高額なものまでかなり幅があります。提灯1つあたり、大体の相場は1万円~3万円程度の場合が多いですが、単品か一対かによっても異なります。(一対の場合は、提灯2個分の値段になる)。

一般的には、人工的な素材や機械で作られた提灯は安価になり、反対に天然系の素材を用いたり、職人が手作業で加工したものは高級品とされる傾向にあります。また、「風鎮(ふうちん)」と呼ばれる飾りの有無、火袋の張り合わせが一重か二重かによっても異なります。

商品によっても異なるため例外はありますが、以下に大まかな価格相場をご紹介します。

盆提灯の価格相場一覧表

■3,000円~1万5千円程度

  • 火袋…紙製またはビニロン・張りが一重・印刷された絵柄
  • 手・足・三角…プラスチック製
  • 風鎮…なし

>>3,000円~1万5千円程度の提灯はこちら

■1万5千円~8万円程度

  • 火袋…絹または高級和紙製・張りが一重または二重・手書きされた絵柄
  • 手・足・三角…木製
  • 風鎮…あり

※使用する木材(銘木など)や特殊塗装が施されているかどうかや、制作過程における手間のかかり具合(職人の技法)によっても大きく価格が異なります。

>>1万5千円~8万円程度の提灯はこちら

職人技・こだわりの素材による盆提灯の制作

伝統的な盆提灯は、職人の繊細な手仕事によって1点1点丁寧に生み出されています。作成に手間がかかる分高額にはなりますが、お部屋に飾った際の見た目にはっきり違いが出ます。
また、使用する素材によっても雰囲気が大きく異なり、また耐久性にも違いが見られます。

二重張りの火袋

火袋の構造は、一重と二重の2種類に大きく分けられます。

二重の火袋

二重の火袋の場合は、内側に山水(風景)・外側に花が描かれているものが多く、絵柄に奥行が出て、より華やかな雰囲気になるのが特徴です。

また、二重の場合は紙と絹の両方の素材が使用されることも多く、内側を紙・外側を絹にすることで、光が柔らかく美しく見えるよう設計されているものもあります。

>>二重張りの提灯はこちら

手描きの火袋

火袋の彩色技法は、印刷と手描きのの2種類に大きく分けられます。

手描きの火袋

印刷タイプの場合は、平たい状態で印刷した火袋を張り合わせるため、継ぎ目で若干絵柄がずれてしまうことがあります。
一方、手描きの場合は、火袋を球状に仕上げてから絵を入れるため、継ぎ目でも絵柄が途切れず綺麗に仕上がります。
※印刷タイプは細かい絵柄でも精緻に再現できるという利点もあり、モダンな提灯の中には値段を問わず使用される場合もあります。

また、絵具を重ねて描くため立体感が出て、色の入れ方や花の大きさなども手作りならではの味わいが出るのが特徴です。

竹ひごを使用して「張り」を行った火袋

盆提灯の「張り」技法は、鉄線と竹ひごの2種類に大きく分けられます。

竹ひごを使用して「張り」を行った火袋

「張り」とは、「張師」と呼ばれる職人が火袋の張り型を組み、その上に細い「ひご」をらせん状に巻いて和紙を張っていく工程を指します。

近年は、量産に適した鉄線を使用することが増えていますが、伝統的な技法である竹ひごを使用して作られた提灯もございます。火袋が黄味がかった優しい色合いになるのが特徴で、一本一本を丁寧に糸で繋いで長い竹ひごにしてから巻くため、繋ぎ目を目立たないように繋ぐには熟練した職人技が必要になります。

>>竹ひごを使った提灯はこちら

木製の手・足・三角

手・足・三角と呼ばれる骨組み部分の材質は、プラスチックと木製の2種類に大きく分けられます。

木製の手・足・三角

プラスチックは、軽さに優れており安価な一方で、経年劣化の影響を受けやすく、部材の中が空洞になっているために長く使うと組立ての際に折れてしまうことがあります。

木製の場合は、見た目の重厚さや高級感があり、耐久性も高いのが特徴で、長期間使用するにあたって最適な素材と言えます。マンゴー、アルダーウッド、ニレ、松、ツバキ、桜、栃の木、本鉄刀木などの様々な材木が使用されています。

風鎮(ふうちん)の有無

風鎮が付いた提灯

「風鎮」は、元々は掛軸に使用されていたもので、風が吹いても飛ばされないように重しとして付いていましたが、提灯に対しては装飾品として火袋の下に下げる形で使用されています。
風鎮の代わりに房だけが付いているものもありますが、高額の提灯になると、石や陶器製の風鎮が付く形が一般的です。

また、房の素材も人絹と正絹があり、高額品には正絹の房が使用される傾向にあります。

【図説つき】盆提灯の飾り方・使い方

お仏壇と盆棚の周りに飾られた盆提灯

盆提灯を単体で飾ることは少なく、基本的には盆棚や盆飾りなどのお盆用品と一緒に飾ります。ここからは、盆提灯の基本的な飾り方を簡単にご紹介いたします。
また、あわせて灯りを付けるタイミングなど、実際に盆提灯を飾った後の使い方についても解説します。

盆提灯とお盆用品の基本的な飾り方

地域によって大きく異なる場合もありますが、一般的には、自宅のお仏壇の前や横に「盆棚(ぼんだな)」や「精霊棚(しょうりょうだな)」と呼ばれる祭壇を設置し、祭壇の上や周りにお盆飾りをする形が通例です。
一般的なお飾り例を以下にご紹介します。

盆提灯とお盆飾りの飾り方

<最上段>ご先祖様方のお位牌を中央に祀り、「霊前灯(れいぜんとう)」をお飾りします。スペースがあれば、更に対で花瓶に生けた「盆花(ぼんばな)」と呼ばれる金銀の造花を飾ります。

<二段目>精進料理や季節の果物などのお供え物をお供えします。霊前灯が複数ある場合は、この壇にもお飾りします。

<三段目>「まこも」と呼ばれるござを敷き、その上に日頃お仏壇で使用しているお参りのお道具一式(お線香立て、火立・花立・おりん)を置きます。
そのほか、「水の子」「牛馬」などのお盆飾りも飾ります。

<盆棚の周り>床置きタイプの盆提灯(行灯)を、左右対でお飾りします。足が三本のタイプの提灯を飾る際は、ご先祖様側にとがった面が向かないよう、手前に足が来る形で置きましょう。
また、大きい花瓶でお花をお供えする場合には、こちらも盆棚の左右に対でお飾りします。

  • 段数の違いによって飾り方のレイアウトは変更して問題ありませんが、【お位牌が一番上・お参り道具が一番下(手前)】のルールは変わりません。
  • 置き場所の関係などで盆提灯を対でお飾りするのが難しい場合には、置ける場所に単体でお飾りしましょう。

※盆棚が小さく全てのお飾りを置ききれない場合は、お仏壇の薄引き出しを一段目としてお飾りする形でも大丈夫です。

>>お盆飾りの詳細や、実際のコーディネート例について詳しくはこちら

■どうして盆提灯は「対」で飾るのが基本なの?

盆提灯は、あの世から帰って来られたご先祖様の霊が迷わずお位牌まで戻って来られるよう、灯りで道を作って差し上げる意味があることから、盆棚の脇に対となるようお飾りするのが基本です。

本来は、複数の対提灯を用意して、奥から手前に向かって末広がりになるように配置し、お位牌までの道筋を作るのが一般的とされていました。
しかし、近年では住宅事情も大きく変化してお盆飾りができるスペースも限られてきていることから、コンパクトなモダン提灯を盆棚の横に1つだけ飾ったり、床置きタイプは飾らずに盆棚の上に置くタイプ(霊前灯)のみを飾る場合も増えてきています。

大切なのはご先祖様に対するご供養の気持ちですので、ご自身のできる範囲で華やかにお飾りして差し上げるとよいでしょう。

いつからいつまで飾る?盆提灯を飾る期間について

盆提灯は、帰って来られた故人様に対するお供えになりますので、基本的にはお盆初日(迎え盆)の13日から最終日の16日までの4日間(片付けが翌日になる場合は、17日までの5日間)を中心に飾ります。

しかし、お盆当日になってから飾り付けを始めるのは慌ただしくなってしまうため、お盆月(7月か8月)に入った時点で少しずつ飾り付けを始めておく方も多く見られます。
遅くとも、お盆の前日までには飾り付けを済ませておくと当日焦らずに済むのでおすすめです。

■盆提灯の灯りはどのタイミングでつける?夜中もつけたままでいいの?

盆提灯は、お盆初日である13日の夕方頃(迎え火を焚く頃)から、最終日となる16日の夕方頃(送り火を焚く頃)までの期間に灯すのが一般的です。
基本的には暗くなってから寝るまでの間だけ灯し、夜間は消す場合が多いですが、お盆の期間中は提灯の灯明を絶やさないことがよいともされることから、一日中灯りを灯す地域もあります。

絶対的な決まりはなく、現代の提灯はLEDの電池灯が使用されている場合が多く火災の心配も少ないため、基本的には地域や家庭の考えに従う形で問題ないと言えます。

盆提灯はどう扱う?組立て・保管・処分方法

盆提灯を組み立てている人物

盆提灯は、新盆用の白紋天以外は基本的に毎年繰り返し使用するため、お盆を迎えるたびに組立てと片付け(保管)が必要になります。
ここでは、提灯の組立て方と保管方法を簡単にご紹介します。保管の仕方によって長く使えるかどうかが大きく変わってきますので、特にご注意ください。
また、古くなって使えなくなってしまった提灯の処分方法についてもお伝えします。

【お盆前の準備】盆提灯の組立て方

モダンなスタイルの提灯の場合は組立て不要なものも多いですが、伝統的な盆提灯の場合は、実店舗・オンラインのいずれで購入した場合でも、パーツごとに分解された箱入り状態が基本ですので、ご自宅での組み立てが必要です。

盆提灯を分解した図

組み立ての際は、まず「下足(げそく)」「ツバ」に差し込み、下足の間に「三角」を取り付けます。その後にコードと電球を中央の穴に通す形で取り付け、ツバに2本の「上足(じょうそく)」を差し込んだら、火袋の向きを確認してから取り付けます。火袋まで付いたら、「手」を左右の上足に取り付け、最後に「風鎮(ふうちん)」をフックに下げたら完成です。

>>【動画付き】盆提灯の詳しい組み立て方はこちら

【お盆終了後】盆提灯の保管方法

お盆が終わったら、組み立てた時とは逆の順番で提灯を分解し、入っていた通りに箱へ納めます。
この際、火袋が絹でできた提灯は、保管している間に虫に食われやすいので、「しょうのう」などの防虫剤を箱に入れておくと安心です。

また、保管する環境が悪いと、翌年出した際に火袋同士がくっついてしまって剥がれなくなったり、木製のパーツが傷んでしまうなどの原因になります。なるべく高温多湿になりがちな場所は避け、風通しのよい環境で保管しましょう。

使わなくなった盆提灯の処分方法

古くなった提灯や新盆限りの白提灯を処分する際は、絶対的な決まりはありませんが、いくつかの処分方法があります。以下に、一般的によく行われる盆提灯の処分方法ご紹介します。

  • お世話になっているお寺にお納めする
  • 送り火を焚く際に一緒に燃やす
  • 塩で軽く清めてから紙などに包み、自治体の指示に従って処分する

■盆提灯は修理できるの?

中には、先祖代々受け継いできた盆提灯を使い続けている方もいらっしゃり、「できれば修理をして今あるものを使い続けたい」というご要望をお持ちの方もいらっしゃいます。

その場合、火袋の張り替えによる修理は難しいですが、その他のパーツについては、お取り扱いがあれば交換などの形で修理が可能なケースもございます。
まずは実物を拝見して、修理可能かどうかを確認してから、可能であれば修理費用をお見積りする流れになりますので、もし修理のご要望がありましたら、まずははせがわにご相談ください。

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いつどうやって贈る?盆提灯を贈る際の基本マナー

うちわと朝顔、風呂敷に包まれた贈り物

地域によっては、新盆を迎えるご家庭に対して、兄弟や親族から盆提灯を贈る風習があります。最後に盆提灯は誰が買うべきなのかや、贈る際の掛け紙の付け方など、盆提灯を贈る際の基本的なマナーをご紹介いたします。
また、盆提灯を購入できる場所についてもご紹介いたします。

盆提灯は、種類ごとに購入者が異なる場合がある

前述したお話に繋がりますが、盆提灯は、新盆用の白提灯と絵柄入りの通常用提灯の2種類があります。どちらも故人様のお身内が買われる場合もありますが、それぞれ購入者が異なる場合もあり、地域や家族の考えによって違いが見られます。

■盆提灯の購入者の違い

  • 新盆用の白提灯(紋天)…故人様のご家族(身内)が購入
  • 絵柄入りの通常用提灯…故人様の兄弟や親族が購入

※親族以外にも、故人様と親しかった方が贈る場合などがあります。

提灯の代わりに贈る「提灯代」とは?相場・表書き

近年は、住宅事情の変化により、昔のように部屋の一角を大きく使ってお盆飾りをするのが難しくなっているため、贈り先のご自宅に合ったサイズの提灯を選ぶのが難しくなってきているのが現状です。
これらのことから、「お好きなサイズや絵柄の提灯を飾ってください」という意味を込めて、提灯を贈る代わりに提灯代(現金)を贈るケースも増えてきています。

■相場
一般的には3,000円~1万円程度が目安とされていますが、故人様との親密度によっても異なるため、生前に親しくお付き合いしていた場合には、3万円以内を目安に贈る場合もあります。
最終的にいくらにするかは兄弟や親族間でご相談されるとよいでしょう。

■表書き
封筒は双銀・黒白(関西は黄白・黄銀)の結び切りタイプの不祝儀袋(香典袋)を使用して、表書きは「御提灯料(おちょうちんりょう)」または「新盆献灯料」とする形が一般的です。

盆提灯にかける「掛け紙(のし)」とは?正しい表書きもご紹介

「新盆御見舞」の表書き

お盆を迎えるご家庭に盆提灯を贈る際には、包装紙の上に「掛け紙(のし)」をかけるのがマナーです。

その際の表書きは「新盆御見舞(にいぼんおみまい)」とし、その真下には自分(渡す側)の姓名を記入します。墨は濃い墨色、水引は黒白の水引を使用しましょう。
※新盆以外のご家庭に贈る場合には、オーソドックスな「御仏前(ごぶつぜん)」「御供(おそなえ)」を表書きに用います。

包装して掛け紙をかけたお供え物

近年は、表書きや水引が最初から印刷された掛け紙を使用する場合が増えており、販売店によっては提灯の購入時に名前入りで掛け紙をつけてくれるサービスもございます。
はせがわの実店舗・オンラインショップでも掛け紙サービスを承っておりますので、お気軽にお申しつけ下さい。

■名前札はどうやって使う?

盆提灯の中には、箱の中に「名前札」と呼ばれる札が入っていることがあります。この名前札は、どなたからいただいた提灯なのかが一目でわかるよう、贈っていただいた方の名前を書いて盆提灯と一緒に飾る形で使用します。

盆提灯はどこで買う?販売場所をご紹介

盆提灯は、仏壇仏具の専門店のほか、デパートやホームセンター、スーパーなどの催事コーナー、オンラインショップで購入が可能です。
近年は、レンタル提灯や、リサイクルショップで販売されている中古の提灯などもありますが、盆提灯はご先祖様に対する感謝の気持ちを表すものであり、また毎年繰り返し使用するものですので、基本的にはご購入いただくことをおすすめします。

また、一見するとどこで購入しても同じように思われるかもしれませんが、盆提灯を始めとするお盆用品は地域性が非常に高く、住宅事情によっては飾り方も工夫する必要があります。
できれば専門知識のある販売店を利用し、地域ごとのお盆の風習などに合わせて商品や飾り方のアドバイスを受けながら、商品を検討されることをおすすめします。

  • お盆の家庭に盆提灯を贈る際は、お盆月の頭までには届くように贈る

先方がゆとりを持ってお盆の準備に取り掛かれるよう、先方が実際にお盆の飾り付けを始める前(遅くともお盆月の頭あたり)までには届くように郵送でお送りするのが一般的なマナーです。

はせがわでは、実店舗・オンラインショップともに盆提灯やお盆飾りを販売しております。(実店舗については、季節によってはお取り扱いがない場合もございますので、事前にお問い合わせください)
専門スタッフによるオンライン相談も承っており、事前の購入相談だけでなく、ご購入いただいた後のアフターフォローも万全です。お飾り方法などに関するお悩みもお気軽にご相談いただけます。

まずは一度、最寄りのはせがわ店舗、またはオンラインショップまで足をお運びください。

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