お彼岸とお盆の具体的な違いは何?どちらもご先祖様は帰ってくるの?

お彼岸とお盆の具体的な違いは何?どちらもご先祖様は帰ってくるの?

お彼岸もお盆も、お墓参りやお供え物をしてご先祖様を供養する行事として有名ですが、具体的にはどのような点が異なるかはご存知でない方も多いのではないでしょうか?中には、「お盆はご先祖様が帰ってくる期間ということは知っているけど、お彼岸の場合はどうなの?」と疑問に感じている方もいるかもしれません。

ここでは、お彼岸とお盆について、意味・期間・やるべきことの3つの観点から違いを徹底解説いたします。

【意味と由来の違い】「お彼岸」と「お盆」とは?成り立ちに違いはある?

お彼岸とお盆のイメージ

お彼岸もお盆もご先祖様の供養行事として有名ですが、それぞれの意味や由来も同じのでしょうか?
結論として、どちらも日本古来からあった先祖供養の風習と、後から伝来した仏教観が合わさったことで生まれた日本独自の風習であることは共通していますが、それぞれの由来や意味合いは大きく異なります。

以下に、意味や由来の観点から詳しく解説いたします。

お彼岸の意味と由来

お彼岸の時期を説明した画像

お彼岸とは、あの世(彼岸)とこの世(此岸)の距離が最も近くなるとされる「春分の日」と「秋分の日」を中日とした7日間のことで、ご先祖様への日頃の感謝の気持ちを込めてご供養を行う行事を指します。
また、本来は故人様のご供養だけでなく、仏教の教えに従って精進すべき時期ともされており、「六波羅蜜」と呼ばれる修行が存在します。

お墓参りや先祖祭りの風習自体は日本古来からありましたが、仏教伝来後、「あの世(彼岸)との距離が最も近くなるお彼岸時期に修行を行うことで、煩悩に満ちたこの世(此岸)を脱して悟りに至ることができる」という仏教的解釈が加わったことで、日本独自の「お彼岸」という行事が生まれました。

お盆の意味と由来

お盆とは、お盆とは、7月または8月に行われる、ご先祖様をあの世からこの世(ご自宅)にお迎えしてご供養する行事を指します。
今では多くの企業がお盆時期を長期休暇として指定しており、現代におけるお盆は夏休みや帰省タイミングの1つとしての意味合いも強くなっています。

お彼岸と同じく、日本古来からあったご先祖様に感謝する習慣が、中国から伝来した仏教に基づいた「盂蘭盆会(うらぼんえ)」の風習と合わさったことで、日本独自のお盆が生まれました。
※この「盂蘭盆会」自体は、元々は7月15日(または8月15日)に行なわれる夏の御霊祭(みたままつり)のことを指します。

「お彼岸」「お盆」、どちらも語源はサンスクリット語にある

「お彼岸」も「お盆」も、実はその語源自体はサンスクリット語(古代インドにおいて用いられた言語)にあります。これは、仏教発祥の地がインドであることに由来しています。
それぞれの語源は以下の通りです。

  • 「お彼岸」の語源…「paramita(パーラミタ)」。漢訳は「至彼岸(とうひがん)」で、意訳は彼岸に至るという意味。日本における音写語※は「波羅蜜多(はらみた)」。
  • 「お盆」の語源…「ullambana(ウランバーナ)」。意訳は、逆さに吊り下げられた苦しみという意味。日本における音写語は「盂蘭盆(うらぼん)」。

※音写語(おんしゃご)…外来語を、他の言語の文字を用いて書き写した言葉のこと。

それぞれの語源や由来についてもっと詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

>>2022年春のお彼岸はいつ? 意味とするべきこと、お供え物を解説
>>お盆の意味とは?いつ何をすればいい?迎え火・送り火も徹底解説

【期間の違い】2022年のお彼岸とお盆はいつ?

カレンダーのイメージ画像

お彼岸は春秋の年2回、お盆は夏時期に1回の行事ですが、日程の決め方などに違いはあるのでしょうか?以下に、2022年の具体的な期間も含めてご解説します。

お彼岸の期間

■2022年度の春秋のお彼岸日程

  • 春彼岸…【3月18日(金)~3月24日(木)】までの7日間
  • 秋彼岸…【9月20日(火)~9月26日(月)】までの7日間

冒頭で記載した通り、お彼岸の期間は、「春分の日・秋分の日を中日とした7日間」です。例年、春分の日は3月20~21日ごろ、秋分の日は9月22~23日ごろの場合が多いですが、年によって期間は前後します。

■どうしてお彼岸は毎年期間が変動するの?

お彼岸の中日である春分の日・秋分の日が、太陽の動きに合わせて決められていることが理由です。春分・秋分の日は、いずれも太陽が真東から昇り真西に沈む日(=昼と夜の時間が等しくなる日)と決められており、その年ごとに国立天文台が太陽の動きを見ながら実際の日にちを定めています。

お盆の期間

■2022年(令和4年)のお盆期間

  • 7月盆…【7月13日(水)~7月16日(土)】
  • 8月盆…【8月13日(土)~8月16日(火)】

お盆の期間は大きく「7月盆」と「8月盆」の2つに分かれています。一般的には8月盆(8月13日~16日)の場合が多いですが、東京近郊、房総半島や北関東の一部地域では7月盆(7月13日~16日)の場合もあります。

■どうして7月盆と8月盆があるの?

明治時代に入って暦が新しくなったことをきっかけに、新しい暦(新暦)にならって7月盆に切り替えた東京などの一部地域など)と、以前の暦(旧暦)のままお盆をするその他の地域に分かれたことが理由です。
その他にも、沖縄県では8月中旬~9月上旬に行う場合などもあり、考えや慣習によっては上記とは異なる期間でお盆を行う地域もあります。

>>お盆やお盆休みの期間について詳しくはこちら

【やるべきことの違い】お墓参り以外の共通点はある?

お仏壇前におりんとお線香が置かれている画像

お彼岸もお盆も、お墓参りやお供え物を行うべき時期ということは有名ですが、その他に共通点はあるのでしょうか?また、逆にそれぞれにしか存在しない独自の慣習などはあるのでしょうか。
次に、期間中に行うべきことについて詳しく解説します。

お彼岸・お盆に共通してやるべきこと

①お墓掃除とお墓参りをする

子供がお墓参りしているイメージ画像

お彼岸やお盆も、まず共通しているのはお墓掃除とお墓参りです。

お墓掃除は、できればお彼岸やお盆時期の前に行っておくと丁寧ですが、難しい場合には当日お参りの前に行っていただく形で問題ありません。

■お彼岸とお盆では、お墓参りに行く理由は異なる

どちらもお墓参りに行くべき時期とされますが、その理由はそれぞれ異なります。

  • お彼岸のお墓参り…あの世(彼岸)との距離が一番近くなることから、ご先祖様への想いが通じやすくなる時期とされているため、ご先祖様が眠っていらっしゃるお墓に私達が出向いてお参りをします。
  • お盆のお墓参り…ご自宅に帰って来られるご先祖様のお迎え・お見送りとしての意味合いも込めてお参りに行きます。
    地域によっては、お墓参りの際に「お迎え提灯」と呼ばれる提灯を持って行って火を灯し、家についたらその火を使用して玄関先で「迎え火」を焚く習慣が残っているところもあります。

>>お墓参りについて詳しくはこちら

②お仏壇掃除とお参り

お仏壇にお参りしているイメージ画像

お彼岸もお盆も、ご自宅でお祀りしているお仏壇を事前にお掃除し、期間中はお仏壇でご先祖様のご供養を行います。

特にお盆の場合には、お仏壇周りにお盆飾りやお盆提灯の飾り付けをする風習があります。

③お供え

果物や精進料理のお供え物

お彼岸・お盆に限らず、仏教におけるお供えは、ご自宅のお仏壇にお供えする場合と、贈答品として他のご家庭にお供えする場合の2パターンがあります。

いずれの場合も、お供え物の基本は「五供(ごく)」と呼ばれる「香・花・灯明・浄水・飲食」の5つです。代表的なお供え物は、お線香や季節のお花、ローソクのほか、精進料理やお菓子、果物などの食べ物です。他のご家庭にお贈りする場合には、桐や塗りの箱に入った贈答用の「進物線香(しんもつせんこう)」が定番です。

■お彼岸とお盆では、お供え物の内容は若干異なる

ご自宅のお仏壇へのお供えは、上記で挙げた共通のお供え物のほかに、それぞれ特有のお供えもいくつか存在します。以下に一例をご紹介します。

  • お彼岸…春彼岸にはぼた餅、秋彼岸にはおはぎをお供えする風習があります。
    どちらももち米と餡子を使用した和菓子ですが、ぼた餅はこしあんを使用して牡丹の花の様に大きめに作り、おはぎは粒あんを使用して萩の花のように小振りに作る形が一般的です。
  • お盆…お盆時期には、そうめんをお供えする地域が多く見られます。
    理由は諸説ありますが、一説には、お盆が終わってあの世に帰られるご先祖様が、荷物をまとめる際の紐として使うためにお供えするとも言われます。

お供え物の表書きはお彼岸とお盆で異なる?

贈答用の「進物線香」をはじめとして、他のご家庭にお供え物をお送りする際には、包装紙の上に「のし(掛け紙)」をつける形がマナーです。
お彼岸・お盆ともに四十九日以降の行事になりますので、基本的には「御仏前」もしくは「御供」とする形が一般的です。
※四十九日前の方に差し上げる場合は「御霊前」になります。

ただし、四十九日を過ぎてから初めて迎えるお盆は「新盆(にいぼん)」「初盆(はつぼん)」と呼ばれ、表書きも「新盆御見舞(にいぼんおみまい)」として区別する場合が多く見られます。お盆にお供えを贈る際には、先方が初めてのお盆かそうでないかをご確認しておくと安心です。

>>お線香を贈る際のマナーについて詳しくはこちら

お彼岸の期間中にやるべきこと

彼岸花とお墓の画像

「六波羅蜜(ろくはらみつ」の修行を実践する

六波羅蜜「八正道(はっしょうどう)」と呼ばれる仏教の修行方法を、出家していない人たち(在家)向けに説いた6つの実践(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)のこと。

前述したお話に繋がりますが、お彼岸はご先祖様を偲んでご供養する以外にも、仏教修行を行って「彼岸」という仏様が住む悟りの世界を目指すべき時期ともされています。

具体的には、「六波羅蜜(ろくはらみつ)」と呼ばれる修行を行います。
修行と書くと難しそうに感じますが、この六波羅蜜は全ての物に感謝する「報恩感謝」の精神が基本になっており、お彼岸時期に関わらずお仏壇のお世話などを通じて実践できる内容になっています。六波羅蜜の実践について詳しくは、こちらのページをご参照ださい。

寺院主催の法要「彼岸会(ひがんえ)」に参加する

菩提寺がある場合には、「彼岸会(ひがんえ)」と呼ばれる、お彼岸時期に寺院が主催するご先祖様の供養法要に参加します。ご参加の際にはお布施を忘れずに持参しましょう。
※お彼岸には個別に法要を行う場合は少ないですが、地域やご住職のお考えによってはご自宅で法要を執り行う場合もございますのでご注意ください。

お盆の期間中にやるべきこと

読経している僧侶の画像

お盆提灯やお盆飾りの飾り付け

お盆には、「盆棚(ぼんだな)」と呼ばれる祭壇をお仏壇の前や横に置き、その上にお盆飾りをしたり、周辺にお盆提灯を飾ったりしてご先祖様をおもてなしします。その際、普段はお仏壇にお祀りしているお位牌も、祭壇の上部に移動させてお祀りする形が一般的です。
飾り付けは当日に行っても構いませんが、できれば余裕を持ってお盆月に入ったくらいのタイミングから準備を始めておくと安心です。

なお、お飾りの仕方は地域によって大きく異なる場合もございます。初めてお盆飾りをされる際には、まず周囲の方や菩提寺のご住職などにお聞きされるといいでしょう。

>>お盆飾りの基本や詳しい飾り方についてはこちら

迎え火・送り火を焚く

地域にもよりますが、ご先祖様のお迎え・お見送りの際には、玄関先またはお墓の前で「迎え火・送り火」という火を焚く風習があります。

火を焚く際は、「ホーロク」という素焼きのお皿の上で「おがら」と呼ばれる麻の茎を焚く形が一般的ですが、東京都の一部では火の上をまたいだり、神奈川県の一部では「砂盛り」と呼ばれる独自の焚き方があるなど、地域によってやり方が様々です。

>>迎え火・送り火の詳しいやり方はこちら

僧侶に依頼して法要を執り行う

故人様が亡くなられてから初めて迎えるお盆である「新盆(にいぼん)」には、ご自宅に僧侶を招いて「新盆法要」を個別に営む形が一般的です。また、お寺によっては、その年に新盆を迎える檀家を対象に合同法要法要を執り行う場合も見られます。
※通常のお盆でも、「棚経(たなぎょう)」と呼ばれる僧侶による読経を執り行う場合もあります。

いずれの場合も、法要を行う際には僧侶へのお礼としてお布施をお渡しする必要がありますので、事前に用意をしておきましょう。

■「初彼岸」と「新盆」にはどんな違いがある?

亡くなって四十九日を過ぎてから迎えるお彼岸とお盆を、それぞれ「初彼岸(はつひがん)」「新盆(にいぼん)」といいます。どちらも故人様にとって初めてのご供養行事ではありますが、特別に個別法要を営むか否かは異なります。
新盆の場合には、前述した新盆法要をはじめとして、初めてご自宅に帰って来られるご先祖様を盛大にもてなすべきとする風習があります。一方の初彼岸は、初彼岸法要として個別法要を営む場合は少なく、ある場合にもお寺での合同法要が基本になります。

>>新盆(初盆)について詳しくはこちら

親族や親しい方を招いて会食

お盆には、親族や故人様と親しい方などをお招きして、故人様を偲びながら会食をする場合があります。中でも新盆の場合には、新盆法要の後に会食もセットで執り行う形が一般的です。

まとめ

仏花とお線香の画像

お彼岸もお盆も、期間は異なれど、お墓参りやお供えをしてご先祖様をご供養する期間という点では共通しています。一方で、お彼岸がご先祖様へ会いにお墓まで行くのに対し、お盆はお墓からご自宅へご先祖様をお迎えするという大きな違いがあります。

また、やるべきことについても、お彼岸には仏教の教えに従って精進(修行)をし、お盆にはお盆飾りや迎え火送り火などをするといった点はそれぞれ異なります。

加えて、初彼岸は個別法要を行うことはあまりありませんが、新盆はご自宅に僧侶を招いて法要を行う場合が多く、法要の有無についても違いが見られました。

それぞれの違いや共通点をしっかり把握して、お彼岸やお盆にはご家族揃って故人様を偲び、日ごろの感謝をお伝えしましょう。

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